模造刀の正しい処分方法3つ | 関係する法律も詳しく解説
最終更新日:2024.11.19
遺品整理中に模造刀が出てきたら驚きますよね。「もう必要とする人がいないので処分したい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。ですが、本物の刀ではないと分かっていてもどのように処分するか悩むものです。
この記事では、模造刀の正しい3つの処分方法と関係する2つの法律についてご紹介しています。
こんにちは。おうち整理士の榛田(はりた)です。模造刀を勝手に処分したら違法になるのではないかと心配になるかもしれません。そこで今回は正しい処分方法をご紹介します。
目次
模造刀とは?本物の刀との違い
模造刀は日本刀と見た目がよく似ていますが、全く異なる物です。日本刀は玉鋼(たまはがね)という材料を使用していますが、模造刀はアルミニウム合金やプラスチック、木を材料に造られます。
玉鋼を材料としない模造刀には刃が付いていないため、物を切れません。また、研ぐこともできないので、刃物ではなく美術品や武道の稽古、演舞の道具として使用されています。
日本刀は1本1本に「銃砲刀剣類登録証」という証明書が付けられており、処分するには警察へ連絡が必要です。一方、模造刀には証明書がないため、日本刀と比べれば簡単に処分できます。
模造刀の正しい処分方法3つ
模造刀の正しい処分方法は以下の3つです。
- ごみとして処分する
- 売却する
- 遺品整理業者へ依頼する
以下で詳しく解説します。
ごみとして処分する場合
先述したように模造刀は刃物ではありませんが、日本刀を模した物なので自治体によっては処分方法を特別に定めている場合があります。処分する前に必ずお住まいの自治体のホームページをご確認ください。
アルミニウム合金製なら不燃ごみへ
模造刀の刀身がアルミニウム合金製なら不燃ごみとして処分ができます。清掃センターへ直接持ち込む必要があるなら、簡単に刀が抜けないように梱包したり、刀袋に入れたりして運びましょう。
不燃ごみに出す場合は、カットして小さくする必要があります。模造刀は刀身が長いため、粗大ごみとして扱われる場合があるからです。
多くの自治体では30cmを超えるごみは粗大ごみに分類しているため、30cm以下にカットすれば不燃ごみとして処分ができます。また、鞘(さや)や柄(え)部分は可燃ごみに分類されるため、処分する前に分別しましょう。
プラスチック・木製なら可燃ごみへ
模造刀の刀身がプラスチックや木製なら可燃ごみとして処分しましょう。可燃ごみとして処分する場合も、粗大ごみに分類されないサイズにカットしてください。カットせずに廃棄した模造刀は、本物の刀と勘違いされやすいからです。
売却する場合
模造刀は保存状態が良ければ売却も可能です。主に以下の方法で売却ができるでしょう。
- 日本刀の専門店へ売る
- リサイクルショップやフリマアプリで売る
- 骨董品店へ売る
では1つずつ解説していきます。
日本刀の専門店へ売る
日本刀の専門店では、その名のとおり日本刀の買取を専門としています。「模造刀は日本刀でなないから買い取ってもらえないのではないか?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに日本刀メインで買い取っていますが、保存状態が良かったり、価値のある模造刀だったりすれば買い取ってもらえる場合があるのです。
リサイクルショップやフリマアプリで売る
模造刀には美術品や武道の稽古などに使用されるため一定の需要があります。ですので、リサイクルショップやフリマアプリでも十分に売れる可能性があります。
少しでも高く売るために、外箱や刀袋などの付属品も一緒に売ると良いでしょう。また、購入時の保証書に作家名が記載されていれば高額で売れる可能性があります。
リサイクルショップへ直接持ち込む際は簡単に刀身が抜けないよう鞘に入れたり、刀袋に入れたりする必要があります。スムーズに査定してもらうためにも、事前にリサイクルショップへ連絡をすると良いでしょう。
フリマアプリを利用すれば、自分で売却価格を設定できるのでリサイクルショップを利用するより高く売れる可能性があります。ですが、模造刀はサイズが大きいため送料がかかる場合がある点を覚えておきましょう。
骨董品店へ売る
模造刀は骨董品店でも売れる場合があります。骨董品店では美しさが求められるため、模造刀が劣化、損傷しているなら買い取ってもらえないかもしれません。反対に保存状態が良く、凝ったデザインの模造刀であれば高額で買い取ってもらえる可能性があります。
遺品整理業者に依頼する
模造刀は遺品整理業者へ依頼して処分してもらうこともできます。遺品整理は遺品の分類から貴重品の捜索、手元に残しておきたい物と不要な物の分別など多くの時間と労力がかかる場合がほとんどです。
また、サイズの大きな家具や模造刀のような特殊な物が出てきた場合は運搬や処分に困る場合もあるでしょう。
遺品整理業者へ依頼をすれば遺品整理をスムーズに行えるでしょう。私たちおうち整備士も遺品整理の相談や貴重品の捜索、分類などを行っております。
処分予定の遺品の買取も行っておりますので、ご負担いただく費用を抑えられるかもしれません。具体的な金額が気になる方はぜひ無料の見積もりをお試しください。10秒程度で相場がすぐにわかりますよ。
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模造刀は正しく処分しないと法律違反に
先述したように、模造刀は本物の刀ではないので所有していても違法にはなりません。しかし、持ち運びには十分な注意が必要です。
隠して持ち運んではいけない
模造刀を隠して持ち運ぶと軽犯罪法に触れる場合があります。
軽犯罪法 第1条2号では「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留又は科料に処する」と定めています。隠して刃物などを携帯すれば犯罪に結びつく可能性が高い、という理由でこのような条項が設けられています。
模造刀は刃物ではありませんが、殴打して人に損傷を与えることは可能です。模造刀は隠さずに、梱包したり刀袋に入れたりして堂々と持ち運びましょう。
持ち運ぶには正当な理由が必要
模造刀を正当な理由なく持ち運べば銃砲刀剣類所持等取締法に抵触する可能性があります。銃砲刀剣類所持等取締法 第22条の4第1項では「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、模造刀剣類(金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。)を携帯してはならない。」と定めています。
武道の稽古や演舞に使用するためや、模造刀を売買するための持ち運びは正当な理由と言えるでしょう。
まとめ
模造刀の正しい処分方法を3つご紹介しました。
模造刀は日本刀とよく似ていますが、製造に使用される材料が異なり、物を切ることはできません。そのため不燃ごみや可燃ごみとして処分できます。
ただし、外観が日本刀に似ているため、自治体によっては特別に処分方法を定めている場合もあります。処分する前にお住まいの自治体のホームページで確認しましょう。
模造刀以外にも処分したいものがあれば、遺品整理業者へ依頼するのも手です。模造刀を正しく処分して遺品整理を終わらせましょう。
これまでにおうち整理士で700件以上の遺品整理を担当。特殊清掃、リフォーム、骨董品買取など幅広い経験を重ねた上で知識を取得し、お客様に寄り添った仕事をモットーとしている。一般社団法人 遺品整理士認定協会「遺品整理士」を所持。