家の祭壇を片付けるタイミングは3つ|宗教ごとの違いを解説します
最終更新日:2024.11.19
葬儀が終わり、自宅に飾ることになった祭壇。故人を悼むためのものとはいえ、「いつまで置いておけばいいの?」と思う方もいるでしょう。この記事では、家の祭壇を片付けるタイミングだけでなく、各宗派による飾り方や片付ける方法も詳しく解説しています。
こんにちは。おうち整理士の榛田(はりた)です。人の死は頻繁に起こるものではありません。いざ身内が亡くなったときに、葬儀の準備や手続きがわからず困る人もいるでしょう。この記事では、家の祭壇をいつ片付けるかについて解説しています。
目次
後飾り祭壇とは
葬儀後に自宅に飾る祭壇は、後飾り(あとかざり)と呼ばれ、故人の遺骨を一時的に安置する役割があります。関西地方では「中陰段(ちゅういんだん)」と呼ばれ、遺族が故人の冥福を祈ったり、弔問客が参拝したりする際にも使われます。
後飾り祭壇の設置場所と飾り方
ここからは後飾り祭壇の設置場所と飾り方を解説します。宗教ごとに説明していますが、どの宗教にも公式の決まりはないので、地域の慣習や信仰する宗派、ご家庭のやり方に従っていただいても問題ありません。ご不明な点があれば、葬儀を執り行った寺社や葬儀会社にお問い合わせください。
設置場所
仏壇がある場合は、仏壇の前がよいとされています。仏壇がない場合は、部屋の北側か西側に置くとよいでしょう。ただし、保管状況が悪いと遺骨が劣化しやすくなるので、窓際のような直射日光が当たる場所は避けてください。キッチンや風呂場といった、湿気の多い場所も控えましょう。
飾り方
飾り方は宗教によって異なります。ここからは祭壇の種類から配置、仏具、お供え物まで詳しく解説します。
仏式
仏式では、祭壇に白木(しらき)が使われます。白木とは塗料を塗らない、皮を削っただけの木材のことです。木材が白木でない場合は、白い布を掛けて使います。祭壇は2〜3段で構成され、それぞれ飾り方が異なります。
<二段の場合>
上段:遺骨、遺影、仮位牌下段:香炉、線香台、ろうそく台
<三段の場合>
上段:遺骨、遺影中段:仮位牌下段:香炉、線香台、ろうそく台
お供え物には、ご飯・水・御膳・お茶・菓子・果物・生花のほか、故人が生前に好きだったものも供えられます。浄土真宗の場合は、御膳や水、お茶を供えないのが一般的です。
ご飯や水、御膳、お茶は腐りやすいので、毎日交換して長く置かないようにしましょう。生花も枯れる前に取り替えてください。また、家庭によっては毎日ろうそくを灯し、線香を絶やさない場合もあります。
神式
神式では、白木製の八足祭壇(はっそくさいだん)を用います。八足祭壇は、1〜3段の階段状の台に、左右から4本ずつ脚がついた構造です。飾り方は以下のとおりです。
上段:遺影と遺骨中段:霊璽(れいじ)と榊(さかき)下段:ろうそく立てと玉串(たまくし)
キリスト教式
キリスト教徒は祭壇を持っている人が多く、新たに用意する必要ないのですが、持っていない場合は小さなテーブルに白い布を掛け、遺影や遺骨、十字架、生花、聖書を置きます。
仮位牌の取り扱い
仮位牌とは、 お通夜や告別式、後飾り祭壇に置かれる白木位牌のことです。故人の享年や戒名(仏門に入った後の名)、俗名(仏門に入る前の名)が書かれています。
仮位牌の処分方法
仮位牌はお焚き上げで処分できます。仮位牌に入った魂を本位牌に入れ替える儀式(位牌開眼)が終わると、魂が本位牌に移り、役目を全うするからです。儀式の時期は、四十九日の法要後です。
本位牌の準備
本位牌の準備には時間がかかるため、四十九日の法要の日程が決まりしだい手配してください。葬儀屋や仏具屋が注文を受け付けています。
祭壇を片付けるタイミング
信仰する宗教によって片付けるタイミングは異なります。ひとつずつ確認しましょう。
仏式
四十九日の法要で忌明けとする場合が多いので、それ以降であれば問題ないでしょう。
神式
五十日際の後がよいでしょう。五十日祭は神式の法事で、仏教の四十九日法要にあたります。神道では、亡くなった方を悼む期間は50日以内が多いとされています。
キリスト教式
キリスト教では特に決まりがありません。ご都合の良いときにお片付けください。
後飾り祭壇を片付ける方法4つ
後飾り祭壇を片付ける方法を4つ紹介します。
ごみとして捨てる
後飾り祭壇はお浄めが不要なので、ごみとして廃棄できます。ほとんどの自治体は収集方法を定めていませんが、祭壇の多くは木製なので、普通ごみか粗大ごみに分類されます。
おうち整理士のある大阪市の場合、径が30cmを超えると粗大ごみになります。捨てる前に大きさを確認しておきましょう。また、ろうそく立てや香炉も収集方法が明記されていないことが多いので、処分に迷った場合はお住まいの自治体にご確認ください。
粗大ごみの出し方
おうち整理士のある大阪市を例に、粗大ごみの出し方を解説します。
- 自治体のホームページから粗大ごみ収集受付センターに連絡します。後飾り祭壇の大きさを伝え、処分費用を確認してください。
- 粗大ごみ処理手数料券を購入します。コンビニやスーパー、郵便局が取り扱っていますので、品目1点ごとにご購入ください。
- 粗大ごみ処理手数料券に必要事項を記入し、後飾り祭壇に貼り付けてください。収集時刻を決めている自治体が多いので、忘れないように所定の場所に置きましょう。
また、大阪市では以下のように幅・奥行・高さの合計によって料金が変わります。
3辺の合計 | 料金 |
---|---|
1.5m未満のもの | 200円 |
1.5m以上2m未満のもの | 400円 |
2m以上2.5m未満のもの | 700円 |
2.5m以上のもの | 1000円 |
葬儀会社に回収してもらう
葬儀会社が祭壇を回収してくれる場合もあります。葬儀でお世話になっているので、安心して任せられます。葬儀が終わった後でも対応してくれるところは多いので、お悩みの方は問い合わせてみましょう。
遺品整理業者に依頼する
後飾り祭壇のほかに故人の品物が残っている場合もあるでしょう。遺品が大きかったり重かったりすると、片付けにも時間がかかります。
遺品の処分にお悩みの場合は、遺品整理業者に依頼するのも手です。仏壇のような大きくて重たい品物も回収してくれるだけでなく、指定した時間にも来てくれるので、体が不自由な人や忙しい人でも安心して利用できます。
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自宅に保管する
ここまで処分方法を紹介しましたが、解体した祭壇を自宅に保管しても問題ありません。お盆や一周忌の法要でも使えますし、買い直すよりお財布に優しくエコです。ろうそく立てや香炉も手元に置いておくとよいでしょう。
まとめ
祭壇を片付けるタイミングは、信仰している宗教によって異なります。仏教は四十九日の法要後、神道は五十日祭後、キリスト教には決まりがありません。
片付ける場合は、ごみとして捨てる、不用品回収業者に依頼する、葬儀会社に回収してもらう、自宅に保管する、という4つの方法があります。ご自身に合った処分方法をお選びください。
これまでにおうち整理士で700件以上の遺品整理を担当。特殊清掃、リフォーム、骨董品買取など幅広い経験を重ねた上で知識を取得し、お客様に寄り添った仕事をモットーとしている。一般社団法人 遺品整理士認定協会「遺品整理士」を所持。