おうち整理士のお役立ちコラム

女性のセルフネグレクト｜対策と汚部屋を速攻で解決する方法

最終更新日：2025.11.04

仕事に追われて気づけば部屋が散らかりっぱなし。掃除もできず、気力もわかない。何もする気が起きない……。
そんな状態に心当たりはありませんか？
かつては高齢者に多いとされていた『セルフネグレクト（自己放任）』は、年代や性別にかかわらず誰にでも起こり得る心の病気です。
この記事では、女性のセルフネグレクトに焦点をあて、特徴と原因、対応策をチェックリストつきで解説します。

セルフネグレクトってどういう状態？

積み上げられた洗濯物

セルフネグレクトとは、自分らしい生活を送るために必要なことができなくなってしまう状態のことを指します。

たとえば、食事や掃除、入浴など基本的な生活行動ができなくなったり、家族や友人の助けを拒んでしまったりして、社会的に孤立し、健康的な生活を維持できなくなるケースが見られます。

本来であれば、日常生活で当然行うべきことができない、または行う力が失われてしまうことで、心身の安全や健康が危険にさらされてしまう状態になるのです。

（参考：厚生労働省「セルフ・ネグレクトや消費者被害等の犯罪被害と認知症との関連に関する調査研究事業」報告書）

セルフネグレクトのチェックリスト

セルフネグレクトかも？と思った人は、以下のチェックリストを参考にして、状態を照らし合わせてみましょう。

お風呂、洗顔、歯磨きなど自分のケアができなくなっている
部屋が散らかっていて、掃除が行き届いていない
ゴミを出さずに、異臭がしても部屋に溜めた状態
物が捨てられない
いつも同じ服を着て、衣類や身体の不衛生が放置されたまま
郵便物を放置している
家賃や公共料金を滞納し、電気が止まるなど不便な状況になっても放置してしまう
食べ過ぎ、食べなさ過ぎなど、適切な食事が取れない
社会的な交流が減少し、孤立している
必要な支援を拒否している
必要な受診、治療を拒否している

チェックが入った項目が多い場合、セルフネグレクトの可能性があります。
本人からは助けを求めるのが難しいことも多いため、周囲の人が意識的に声をかけたり、サポートしてあげることが大切です。

女性のセルフネグレクトとは？

頭を抱え込んでいる女性

セルフネグレクトのあらわれ方は人それぞれですが、特に女性の場合は外見だけでは気づきにくいケースが多くあります。
たとえば、家の中がゴミ屋敷のような状態でも、外出時は身なりを整えているため、周囲からは問題があるように見えないことも。そのため、周囲が気づきにくいという特徴があります。
また、外見はきれいでも、家の中は掃除が行き届かず、ゴミの放置や異臭が見られることもあります。

女性のセルフネグレクトの背景には、経済的な不安定さが関係している場合も少なくありません。
非正規雇用が多く、収入が不安定なことで生活が苦しくなり、結果としてセルフネグレクトになってしまうケースがあります。
また、仕事や家事に追われて自己ケアが後回しになり、心身の健康管理ができなくなっていくことも。

さらに、若年層における孤独死は男性よりも女性に多い傾向があり、高齢女性だけでなく、20代など若い世代の女性もセルフネグレクトになる可能性があるといえます。

（参考：一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会 2021年6月孤独死現状レポート）

セルフネグレクトになりやすい女性の特徴

ここでは、セルフネグレクトになりやすい女性の特徴を見ていきましょう。

仕事が激務

私生活よりも仕事を優先し忙しく過ごしている人は、家事をする気力や、しっかり食事をとる時間が取れないことも多いもの。
その結果、掃除が追いつかず、食生活も乱れて、生活環境が少しずつ悪化していきます。

また、地域によってはゴミ出しのルールが厳しく、時間帯などの制約から「出したくても出せない」状況が続くこともあります。
このように、不規則な仕事をしている女性は、セルフネグレクトになりやすい傾向があるといえます。

掃除が苦手

掃除が苦手な女性や、整理整頓の習慣が身についていない女性は、部屋の中が散らかっていても片付けが追いつかず、生活環境が悪化しやすい傾向があります。

また、「女性の部屋はきれいであるべき」という世間的なイメージから、部屋が汚れていることを他人に知られたくないと思い、掃除や片付けの依頼をためらってしまうことも。

そのまま片付けを放棄し続けてしまうと、やがてセルフネグレクトになってしまうリスクが高まってしまいます。

物を捨てられない

「もったいない」「物を大切に」という気持ちは大切ですが、その気持ちが強すぎると危険です。
不要なものを捨てられず、部屋の中に物があふれて生活環境が悪化することがあります。

捨てられない理由が「方法がわからない」「怪我や病気で片付ける力がない」といった場合は、周囲のサポートでセルフネグレクトから抜け出しやすいです。

しかし、一般的にゴミとされるものをゴミだと思わず、周囲の援助を拒む場合は、症状が悪化しやすい傾向にあります。

孤独や不安がある

人間関係が希薄で社会的に孤立している女性は、孤独や不安をまぎらわせるために物を大量に購入してしまうことがあります。

このような場合、物を捨てることに強い抵抗を感じ、部屋が片付かない傾向が見られます。
不安や恐怖から物を溜め込み、周囲との関わりを避けることも少なくありません。

社会的な交流が減ると生活への意欲も低下しやすく、身なりに気を遣わなくなるため、症状が進行しやすい傾向があります。

周りに助けを求められない

悩みがあっても人に頼れず、自分だけで抱え込んでしまう人も注意が必要です。
特に女性の場合、生活環境が悪化していても、外出時には身なりを整えていることがあります。
そのため、周囲が異変に気づきにくく、状況が悪化しやすいことがあります。

セルフネグレクトになる原因

セルフネグレクトの原因は、現時点ではまだはっきりと特定されていない部分が多いとされています。
ただし、セルフネグレクトになっていく背景としては、以下のような原因があげられます。

経済的あるいは精神的な問題
親しい人との死別などの経験
家族・親族・地域・近隣との孤立や関係悪化
身体機能の低下

貧困や社会的孤立など、現代社会が抱える問題もセルフネグレクトの一因として考えられています。

（参考：厚生労働省「セルフ・ネグレクトや消費者被害等の犯罪被害と認知症との関連に関する調査研究事業」報告書）

セルフネグレクトを放置するとどうなる？

セルフネグレクトは、自分では気づきにくいという特徴があります。
状態が長く続くと、地域住民を巻き込むような困難事例につながることも少なくありません。

また、地域住民との関わりが希薄になることで、社会的孤立を招く原因にもなります。

さらに、家がゴミ屋敷のようになると、悪臭が原因で家族や親族から距離を置かれることもあり、孤独死との関連も指摘されています。

（参考：厚生労働省「セルフ・ネグレクトや消費者被害等の犯罪被害と認知症との関連に関する調査研究事業」報告書）

セルフネグレクトかな？と思ったら

ハートを持った医者

セルフケアが難しいと感じるときは、一人で抱え込まずに専門家に相談することが大切です。
早めに相談することで、生活の改善や健康の維持につなげやすくなります。

行政や病院に相談する

医療機関に相談する場合は、まずかかりつけ医がいる方はその先生に相談してみましょう。
メンタルヘルスの問題がある場合は、カウンセラーや心療内科医に相談するのがおすすめです。

セルフネグレクトやゴミ屋敷については、行政や医療機関でも相談できます。
地域包括支援センターは、住民の健康や生活の安定のために必要な支援を行っており、必要なサービスにつないでくれる施設です。

また、自治体によってはゴミ屋敷への対策に力を入れており、相談窓口を設置している場合もあります。

自助グループに参加する

自助グループとは、似たような経験を持つ人たちが集まり、お互いの悩みを共有して支え合う場です。
グループ内で自分の気持ちを話したり、他の人の経験から学んだりすることで、セルフネグレクトを克服するヒントを得ることができます。

ゴミ屋敷片付けの専門業者に依頼する

部屋の片付けや掃除が追いつかない場合は、専門の業者に依頼するのも一つの方法です。
「今すぐどうにかしたい」という場合にも効果的で、自分で片付けなくてもプロに任せることで解決できます。
高齢の方の場合は、生前整理として遺品整理業者に相談するのもおすすめです。
おうち整理士の場合は関西圏であれば最短即日対応できます。