高齢者の家がゴミ屋敷になる理由6つ|対処方法と予防策も詳しく解説

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高齢者の家がゴミ屋敷になる理由6つ|対処方法と予防策も詳しく解説

「ひょっとして、ゴミ屋敷……?」
久しぶりに実家へ帰省した際、親である高齢者が住んでいる家がゴミ屋敷のような状態になっていたら、大きな衝撃を受けますよね。
「昔はいつも部屋をきれいにしていたのに……」
親が元気だった頃を知っているからこそ、その変化に驚きや悲しみ、そして強い心配を感じる方も多くいるでしょう。
実は、高齢者の家がゴミ屋敷化してしまうケースは、決して珍しいことではありません。
では、なぜ家がゴミ屋敷化してしまうのでしょうか。

この記事では、高齢者の家がゴミ屋敷化してしまう主な理由をわかりやすく解説します。
あわせて、ゴミ屋敷になってしまった場合の対処法や、今後の予防策についても紹介しています。
同じような悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

ゴミ屋敷ってどんな状態?

「これってもしかしてゴミ屋敷?」と判断に迷うこともありますよね。

環境省では、ゴミ屋敷を次のように定義しています。

「住宅などにゴミや物品が積み上がったり散乱したりし、それによって悪臭が発生したり、ハエやゴキブリなどの害虫、ねずみが発生・生息したりする状態。さらに、物の崩落や火災の危険がある状態」

つまり、家や庭にゴミや物が放置されてしまい、清潔で安全な生活環境が大きく損なわれている状態がゴミ屋敷です。

また、ゴミ屋敷の住人には高齢者が多い傾向があるともいわれています。

参考:環境省「令和6年度「ごみ屋敷」に関する調査報告書:条例等におけるごみ屋敷の定義」

特に多いのは一人暮らし高齢者

心身の衰えとともに生活環境が悪化してしまう高齢世帯は、年々増加しています。
特に、一人暮らしの高齢者世帯で起こりやすい傾向があります。

大阪市の調査によると、原因者の年代で最も多いのは70歳代以上で37%。
次いで60歳代(25%)・40歳代(11%)・50歳代(8%)と続き、全体の約8割を40歳代以上の中高年層が占めていることがわかっています。

さらに、60歳以上の高齢者が原因となっているケースは全体の62%にのぼります。

同居人の有無では、「同居人がいない」が55%と半数以上を占め、「同居人がいる」は27%にとどまっています。

これらのデータからも、ゴミ屋敷問題は一人暮らしの高齢者に多い傾向があることがわかります。

参考:大阪市のいわゆる「ごみ屋敷」の現状について

高齢者のゴミ屋敷を放っておくとどうなる?

ゴミ屋敷化した状態を放置してしまうと、思わぬトラブルや危険につながることがあります。
具体的にどんなリスクがあるのか、順番に確認していきましょう。

避けられない健康被害

ゴミ屋敷に潜む最大の危険は、健康状態の悪化です。

ゴミ屋敷では、感染症や気管支系の病気、食中毒などにかかるリスクが高まります。
食品の残りや生ゴミが大量に放置されることで、害虫やネズミが大量発生しやすくなるためです。

ダニやゴキブリ、ネズミなどは病原菌を運ぶ可能性が高く、室内を移動しながら菌を広げてしまいます。
さらに、水回りや畳にカビが発生しているケースも少なくありません。

こうした環境により、ぜんそく・アレルギー・感染症・食中毒など、さまざまな健康被害が起こるおそれがあります。

また、不衛生な環境で生活し続けることは強いストレスにもなり、精神的な負担も大きくなります。
その結果、うつ病などの精神疾患につながる可能性もあります。

加えて、室内に物が散乱して足の踏み場がなくなることで、転倒や骨折などのケガの危険も高まります。

このようにゴミ屋敷での生活は、身体面・精神面の両方に深刻な悪影響を及ぼす可能性があるのです。

火災リスクの高まり

可燃ごみが大量にある環境では、火災が発生した際に一気に燃え広がる危険性が高まります。
ストーブやタバコの火がゴミに引火し、短時間で火が広がってしまうこともあります。

また、掃除が行き届いていない部屋ではコンセント周辺にホコリがたまりやすく、通電をきっかけに発火する「トラッキング火災」が起こるリスクも高くなります。

さらに、ゴミが家の外にまであふれている場合は、放火の標的になる危険性も否定できません。
通行人によるポイ捨ても増えやすく、タバコの火が原因で火災につながるおそれもあります。

加えて、室内に積み上がったゴミが障害物となり、火災時に避難が遅れてしまう可能性もあります。

犯罪に巻き込まれる危険性も高くなる

管理が行き届かない空間は、犯罪の温床になってしまう可能性もあります。
特に、ゴミが敷地の外にまであふれていると、放火の標的になるリスクが高まります。
心ない誰かの悪意によって火がつけられてしまうという悲劇も、決して無視できません。

さらに、ゴミが外まで放置されていると、第三者に「捨ててよい場所」と誤解され、別の人がゴミを持ち込んでしまうこともあります。
このような現象は「割れ窓理論」と関連していると考えられています。

なお、不法投棄はれっきとした犯罪です。
不法投棄を行った場合、個人には5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(またはその両方)が、
法人に対しては3億円以下の罰金が科せられます。
参考:大阪市

割れ窓理論ってなに?

1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまうという、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱した理論です。
参考:京都府

「ここはこの状態で良いんだ」と認識されると、「同じ行動をする」人が増えてしまうリスクを説明しています。不法投棄の場所に、「ここはゴミを捨てていいんだ」と思う人が増えるのと一緒です。
この場合、あなたの実家に放置されたゴミが新たなゴミを呼び込み、状況をさらに悪化させてしまう可能性があります。

近隣トラブルに発展する

ゴミ屋敷では、食べかけの食品や飲み残しが放置され、そのまま腐敗して強い悪臭の原因になることがあります。
さらに、ペットの排泄物が片付けられていなかったり、掃除されていないトイレ・浴室・台所などの水回りから異臭が発生したりするケースも少なくありません。

こうした悪臭は室内にとどまらず、空気の流れによって家の外へ広がることがあります。
その結果、近隣住民にまで影響が及び、トラブルにつながる可能性も出てきます。

また、ゴミ屋敷では害虫が大量に発生しやすくなります。
増殖した虫は家の外へ移動し、周囲の住宅に広がってしまうこともあります。

特に賃貸住宅のように隣家との距離が近い場合、その影響はより深刻になりがちです。
一軒家であっても規模が大きい分、発生する害虫の数が膨大になり、地域一帯に被害が及ぶこともあります。

害虫被害が広がると、「発生源」として苦情を受けるなど、近隣トラブルに発展するおそれもあります。

社会的孤立によって孤独死するケースもある

悪臭や害虫の発生は近隣にも影響を及ぼし、周囲との人間関係に支障が出ることがあります。
その結果、地域住民との関わりがさらに薄れ、社会的な孤立を深めてしまう要因にもなります。

孤立した状態が続くと、体調の異変があっても周囲に気づいてもらえない可能性があります。
最悪の場合、室内で倒れても発見が遅れてしまうなど、深刻な事態につながるおそれも否定できません。

不動産価値の低下

「ゴミ屋敷」だった物件は、資産価値が大きく下がってしまう可能性があります。

不動産の価値は一般的に、土地と建物の状態によって評価されます。
しかしゴミ屋敷の場合、建物の劣化が著しく再利用が難しくなることが多いため、建物の価値がほとんど評価されず、土地の価値が中心になるケースも少なくありません。

その結果、買い手や借り手が見つかりにくくなる傾向があります。
場合によっては心理的瑕疵物件に近い扱いを受け、周辺相場より大幅に低い価格でしか売却できないこともあります。

心理的瑕疵物件(しんりてきかしぶっけん)ってなに?

心理的瑕疵とは、建物そのものに欠陥や不具合があるわけではなく、入居者や購入希望者に心理的な抵抗感を与えるおそれがある要素を指します。

ゴミ屋敷だった物件は、この心理的な側面から敬遠されることがあり、結果として不動産としての評価に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、物理的な問題が解消された後でも、物件の価値を大きく損なってしまう場合があるのです。

賃貸物件の場合は退去時の修繕費が高額になる

引っ越しが決まり、マンションやアパートを退去する際に、家主から高額な費用を請求される可能性があります。

室内に虫のフンや死骸による汚れ、染み、悪臭が残っている場合、そのままでは次の入居者が住めないため、修繕や清掃の費用を負担しなければなりません。

通常のクリーニングに加え、フローリングや壁紙(クロス)の張り替えが必要になることもあり、原状回復費用として50万円以上かかるケースも見られます。

ゴミ屋敷の状態を放置していると、健康面や近隣トラブルだけでなく、大きな金銭的負担につながるおそれもあります。

どうして高齢者の家はゴミ屋敷化しやすいの?

高齢者に多く見られるゴミ屋敷化。
なぜ、このような状態になってしまうのでしょうか。
ここからは、その原因について詳しく見ていきましょう。

身体機能の低下によって「ゴミ捨て」が大変な作業になる

筋力や柔軟性の低下、バランス感覚の衰えは、日常的な掃除や整理整頓を難しくします。

たとえば、重いごみ袋を持ち上げられない、高い棚の物が取れない、床に落ちた物を拾うのがつらいなど、これまで当たり前にできていたことが少しずつ負担になっていきます。
その結果、ごみや不用品が徐々に溜まってしまうことがあります。

本人は「捨てたい」と思っていても、体が思うように動かず処分できないまま、気づけばごみが積み重なってしまうケースも少なくありません。

さらに、ゴミ出しの日を覚えることや分別作業など、若い頃には無理なくできていた行動も、年齢とともに大きな負担になります。
「やらなければ」と思うほど気持ちが重くなり、行動に移せなくなってしまうこともあります。

また、「以前はできていたのに、今はできない」という現実に、本人が強いショックやストレスを感じている場合もあります。
そこへ家族から「どうしてできないの?」と責められると、さらに気持ちが追い込まれてしまいます。

このように、心身の衰えは気力の低下にもつながり、結果としてごみを溜め込みやすい状態を招いてしまうのです。

認知機能が衰えることで、日常生活に必要な判断力が低下する

認知症になると、物事を順序立てて考えることが難しくなり、必要・不要の判断がつきにくくなります。
こうした認知機能の低下も、ゴミ屋敷化の大きな要因のひとつです。

軽度認知障害(MCI)や認知症の初期段階では、物事の優先順位をつけたり、計画を立てて実行したりすることが難しくなります。
そのため、「何から片付ければいいのかわからない」「ゴミ出しの日を忘れてしまう」といった状況が起こりやすくなります。

さらに、認知機能の低下によって物の価値を判断する力も弱まります。
本来は不要な物でも「まだ使える」と感じてしまい、手放せなくなることもあります。

こうした状態が続くことで、ごみや不用品が少しずつ増え、結果として住まいがゴミ屋敷化してしまうのです。

「もったいない」気持ちが強くて捨てられない

「もしかしたら将来使えるかもしれない」という思いが強くなり、不要な物でも手放せなくなってしまうことがあります。

特に、戦後の物不足の時代や、物が十分に行き渡らなかった時代を経験してきた高齢者には、“もったいない”という気持ちが強い傾向があります。

そのため、「いつか使うかもしれない」と考えて物を残し続け、結果として溜め込んでしまうこともあるのです。

ためこみ症

ためこみ症とは、実際の価値に関係なく、物を捨てたり手放したりすることが極端に難しくなる心の病気です。
本人は「取っておく必要がある」と強く感じており、物を手放そうとすると大きな苦痛や不安を覚えます。
参考:MSDマニュアル「ためこみ症」

そのため、周囲から見るとゴミのように思える物でも、本人にとっては大切な物に感じられ、処分できなくなってしまうことがあります。

物をため込む背景には、孤独感や不安を埋めようとする心理が関係している場合もあります。
一度片付けても、再び物をため込んでしまい、ゴミ屋敷化を繰り返してしまうケースも少なくありません。

セルフネグレクト

セルフネグレクトとは、自分らしい生活を送るために必要な行動ができなくなってしまう状態を指します。

身の回りのことに気持ちが向かなくなり、衛生面への配慮が難しくなることで、ゴミ捨てや掃除が後回しになり、結果として住まいがゴミ屋敷化してしまうことがあります。

また、セルフネグレクトの状態では、食事を十分に取らなくなったり、体調が悪くても医療機関を受診しなくなったりする傾向も見られます。
そのため、気づかないうちに健康状態が悪化し、最悪の場合は孤独死につながるおそれもあります。

人との関わりが減ることで、ゴミを片づける機会を失ってしまう

家族や友人との交流が減ると、次第に「誰も来ないし片付けなくてもいいか」と考えてしまうことがあります。
その結果、物を手放すきっかけが失われ、孤独感から所有物への執着が強くなる場合もあります。
思い出のある品をなかなか捨てられず、不要な物が増えていくことにもつながるのです。

特に一人暮らしの高齢者は地域社会との関わりが薄くなりがちです。
他者との交流がないと、ゴミを捨てたいと思っても助けを求められないことが少なくありません。
その結果、心身の衰えや認知機能の低下が進んでしまうなど、さらなる弊害を招くこともあります。

実際に大阪市の調査では、ゴミ屋敷の住人の約36%が地域から孤立しているという結果が出ています。
参考:大阪市のいわゆる「ごみ屋敷」の現状について

このように、他者との交流がなくなるとゴミ屋敷化が進行しやすくなり、自力では片付けられないゴミが溜まっていくことで、住まいがゴミ屋敷状態になってしまうのです。

高齢者の家がゴミ屋敷になったときの対処方法と注意点

ここからは、高齢者の家がゴミ屋敷になってしまったときの具体的な対処方法と、無理なく進めるための注意点をあわせて紹介します。

家族や親族の力を借りて片付ける

ゴミ屋敷の片付け方法としてまず考えられるのが、本人や家族、協力してくれる親族・知人と力を合わせて片付ける方法です。

気力や体力があり、自力で進められる場合は、業者に依頼するよりも費用を抑えられるのが大きなメリットです。
また、見知らぬ人が出入りしないため、本人が安心しやすい点も利点といえます。
自分たちのペースで進められることも、自力片付けの魅力です。

ただし、高齢の本人だけに任せるのは難しく、周囲のサポートが欠かせません。
さらに、作業には多くの時間と労力がかかるため、途中で負担が大きくなってしまうこともあります。

特に、ゴミが天井近くまで積み上がっている場合は、崩落やケガの危険があるため無理は禁物です。

片付ける気持ちはあっても時間や体力が足りない場合や、自力では対応できないほどゴミが溜まっている場合は、専門の片付け業者に依頼する方法も検討するとよいでしょう。

コラム「ゴミ屋敷の実家を片付ける方法2つ|親を説得するコツとリスクも解説」では、実家の片付け方について詳しく解説しています。

ゴミ屋敷の実家を片付ける方法2つ|親を説得するコツとリスクも解説

専門業者に依頼する

もっとも手早く解決しやすい方法が、専門業者に依頼することです。

ゴミ屋敷の状態が深刻な場合、個人だけでは対応が難しいケースも少なくありません。
業者に依頼すれば作業が効率よく進み、短時間で片付けが完了しやすいのが大きなメリットです。
「できるだけ早く何とかしたい」という場合にも向いています。

依頼の流れは、次のようになります。

  1. 業者に問い合わせを行い、見積もりを依頼する
  2. 見積もり内容を確認し、回収日を決める
  3. 作業内容の詳細を打ち合わせする
  4. 当日、清掃・回収作業を実施してもらう

業者を選ぶときのチェックポイント

まず大前提として、一般廃棄物や産業廃棄物の許可を取得している業者かどうかを確認することが重要です。無許可業者に依頼すると、思わぬトラブルにつながるおそれがあります。

次に注目したいのが、訪問見積もりに対応しているかどうか。
現地を見ずに出された見積もりでは、実際の作業内容とズレが生じやすく、後から追加料金を請求されるケースもあります。トラブル防止のためにも、訪問見積もり対応の業者を選ぶのがおすすめです。

さらに、料金体系が明確かどうかも大切なポイント。
基本の作業費だけでなく、追加費用の有無まで事前に確認しておくと安心です。

追加で発生しやすい費用の例は以下の通りです。

  • 交通費
  • 出張費
  • 駐車料金
  • オプション作業費

「見積もりに何が含まれているのか」を細かくチェックすることが、安心して依頼するコツです。

おうち整理士の場合は関西圏であれば最短即日対応できます。
関西・九州エリアのお客様のご自宅に実際に伺わせていただき、正確な見積もりをさせていただいております。
ゴミ屋敷といっても、その中には大切な思い出の品が含まれていることもあります。
おうち整理士では、確認なしに処分を進めることはありません。どうぞ安心してご相談ください。

おうち整理士に依頼するメリット

秘密厳守

「掃除を業者に依頼したなんて近所に知れたら……」と困るお客様も少なくありません。 おうち整理士では、ご要望に応じて社名ナシの車で伺ったり、作業着を着るのは中に入ってからなど、お客様のご都合にあわせた対応をさせていただいております。

近畿地方へスピード対応

大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀にお住まいの方なら、最短で即日対応が可能です。
「今すぐ片付けてほしい」とお急ぎの方も、安心してご依頼いただけます。

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片付けを促す際に気をつけたいポイント

「高齢者」が自分の親だった場合、ゴミをためてしまう背景に不安や心細さがあるなら、まずは気持ちを丁寧に聞くことが大切です。

もし親がゴミを宝物のように感じているなら、それは孤独感や不安を埋めるために“物”に心を寄せている状態かもしれません。

親が片付けを拒んだときは、無理に説得しないこと。
強引に片付けを進めると親子関係が悪化し、かえって精神的なストレスを強めてしまうおそれがあります。

気持ちを理解しないまま物を「勝手に捨てる」ことも大きなトラブルの原因に。
第三者からはゴミに見えても、本人にとっては大切な物であることは少なくありません。

一方的に「片付けよう」「きれいなほうがいい」と正論を押しつけると、心を閉ざしてしまうこともあります。
善意のつもりでも「大事な物を捨てられた」という怒りや悲しみだけが残ってしまうケースもあります。

「片付けたい気持ちはあるのにできない」場合

「片付けたい気持ちはあるのにできない」だけの場合は、対処法があります。
親と相談しながら廃棄の方法を決めていくことが解決への近道です。

ゴミ出しが難しい理由が高齢や身体的な問題なら、行政のゴミ出し支援制度を利用できる場合もあります。
自治体や福祉窓口が相談先になっているので、一度問い合わせてみるとよいでしょう。

高齢者のゴミ屋敷化を防ぐためにできること

ゴミ屋敷を招く原因は、高齢者の病気や身体機能の低下だけではありません。
生活への不安や孤独感、周囲との関係性など、心や環境の問題が大きく関わっていることも少なくありません。

だからこそ大切なのは、目の前のゴミを片付けることだけではなく、再び同じ状態を繰り返さないための工夫まで考えること。
ここでは、高齢者のゴミ屋敷化を防ぐためにできる具体的な対策を紹介します。

高齢者本人が片づけに前向きになれるよう支援する

高齢者自身が生活環境に関心を持ち、日頃から整理整頓の習慣を身につけることが大切です。
そのためには、定期的に片付けの時間をつくることが効果的。

いきなり完璧を目指すのではなく、小さな習慣から始めることがポイントです。
たとえば、新しい物を買う前に不要な物を手放す「ワンイン・ワンアウト」のルールを意識するだけでも、物の増えすぎを防ぎやすくなります。

また、季節の衣替えのタイミングで、使わなくなった衣類や道具を見直す習慣をつけるのも有効。
ごみ出しのルールを改めて確認し、カレンダーに印をつけるなど、収集日を忘れない工夫も役立ちます。

もし本人だけで対応するのが難しい場合は、無理をせず、家族や地域のサポートを前向きに受け入れる姿勢も重要です。

ゴミ屋敷の危険性を知ってもらう

ゴミ屋敷がどれだけ多くのデメリットを抱えた状態なのか、まずは丁寧に伝えることが大切です。
本人だけの問題ではなく、周囲にも影響が及ぶことを理解してもらう必要があります。

ゴミ屋敷には、病気・火災・孤独死・近隣トラブルなど、さまざまな危険が潜んでいます。

ただし、高齢者本人に問題意識がない場合でも、頭ごなしに責めるのは逆効果。
「どうして片付けないの?」と非難するのではなく、相手が理解できる言葉で、具体的な例を交えながら優しく説明することがポイントです。

たとえば、

  • ゴミにつまずいて転んでしまったとき
  • 介護サービスの利用が始まったとき

こうした生活の変化があったタイミングは、話を切り出しやすく、受け入れてもらいやすい機会にもなります。

焦らず、相手の気持ちに寄り添いながら、少しずつ理解を促していきましょう。

デジタルデータを活用した整理・収納の工夫

高齢者の身体機能や認知機能の変化に合わせて、使いやすい収納方法を考えることが大切です。
よく使う物は手の届きやすい場所に置くなど、「取り出しやすさ・しまいやすさ」を意識した配置を心がけましょう。

また、思い出の品がなくなることで「大切な記憶まで失ってしまうのでは」と不安を感じる人も少なくありません。

どうしても手放せない物は、写真に撮って記録として残す方法がおすすめです。
データとして保存すれば場所を取らず、思い出もきちんと残せます。

写真に残す、思い出の一部だけを手元に置くなど、量を減らしながら気持ちは大切にする工夫がポイントです。

大切な思い出を守りつつ、暮らしやすいスペースを作っていきましょう。

家族とのコミュニケーションと適切な支援が大切

一方的に指示したり強制したりするのではなく、高齢者の気持ちに寄り添いながら支援することが大切です。
基本になるのは、定期的な訪問とやさしい声かけ。

一緒に整理整頓や掃除をする時間をつくるのも効果的です。
ただし、本人の意思を尊重することが何より重要。無理に物を捨てさせようとせず、「どうしたいか」を聞きながら進めていきましょう。

人との交流が少ない高齢者ほど、こまめな訪問や連絡がゴミ屋敷の予防につながります。
孤立してしまうと、「困るのは自分だけ」と感じ、片付ける気力がわきにくくなることもあります。

さらに、交流が減ることで認知機能の低下が進みやすくなり、ゴミ屋敷化が進行する恐れもあります。

日頃から様子を見守り、訪問時にゴミ出しや掃除をさりげなく手伝うなど、関わる機会を増やすこと。
高齢者を孤立させないことが、何よりの予防策になります。

無理をせず、専門家への相談も視野に入れる

状況に応じて、専門家のサポートを積極的に活用することも大切です。
介護サービスの導入は、ゴミ屋敷化を防ぐ有効な方法のひとつ。

特に、家族がこまめに訪問できない場合や、地域との交流が難しい状況では大きな助けになります。
介護サービスという第三者が関わることで、生活リズムが整いやすくなり、ゴミの溜め込みの改善も期待できます。

介護サービスを利用するには、まず「要介護認定」を受けることが必要です。
その上で、必ず本人の意向を確認しながら進めましょう。

また、ゴミ屋敷化が進み、認知症の症状が見られる場合や、一人暮らしが難しくなってきた場合には、老人ホームへの入居を検討するのも選択肢のひとつです。
老人ホームでは、専門スタッフが日常生活を支え、清潔で整った環境の中で暮らせます。

ただし、入居は生活が大きく変わる決断。
本人の気持ちを大切にしながら、家族でよく話し合って慎重に検討することが大切です。

地域社会と関わる機会を意識的に増やす

地域社会とのつながりを増やすことは、ゴミの溜め込み防止にもつながります。
生きがいがなくなると、身の回りを整えようという気持ちも弱くなり、結果としてゴミ屋敷化が進みやすくなります。

地域に見守りサービスがある場合は、積極的に活用するのもひとつの方法です。
また、高齢者向けのサークルや集まりがあれば、参加をすすめたり、手続きを手伝ったりするのもよいでしょう。

利用できるサービスや社会参加の場を見つけて関わりを持つことが、ゴミ屋敷の予防に役立ちます。

まとめ

高齢者の家がゴミ屋敷化してしまうのには、体力や認知機能の低下だけでなく、不安や孤独感といった心の問題も関係しています。決して珍しいことではありません。

大切なのは本人の気持ちに寄り添いながら支えること。声かけや見守りなど、日頃のコミュニケーションが大きな助けになります。

片付けが難しい場合は、無理をせず専門業者や支援サービスを頼ることも大切な選択肢です。周囲だけで抱え込まず、専門家にも相談しながら、その人に合った支援を続けていきましょう。

今井ありこ

監修:今井ありこ

おうち整理士を運営しているGEEKS株式会社に勤めて4年。皆さまのお声に耳を傾けながらコラムを執筆しております。

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