ゴミ屋敷で発生する火災5つの原因|予防策と近隣視点での対策も解説

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ゴミ屋敷で発生する火災5つの原因|予防策と近隣視点での対策も解説

ゴミ屋敷で発生する火災5つの原因|予防策と近隣視点での対策も解説

ゴミが溜まってしまった部屋を前に、「片付けなきゃ…」と思っても、気力が出なかったり、何から始めればいいのか分からなくなることってありますよね。
しかし、ゴミが多い環境は、ちょっとした火種から一気に火災へとつながる危険があります

この記事では、ゴミ屋敷が火事を招きやすい理由や、今日からできる火災予防策をわかりやすく解説します。
さらに、近隣住民の立場からできる対策についても紹介しているので、状況に合わせて参考にしてください。

目次

ゴミ屋敷が火事になりやすいのはどうして?

一軒家

ゴミが積み上がった部屋は、まさに“火事の温床”と言っても過言ではありません。
ゴミ屋敷には、火が広がりやすく、火災リスクが高まる要因がいくつもあります。
ここでは、なぜゴミ屋敷が火事になりやすいのかを、わかりやすく解説していきます。

可燃物が多く燃え広がりやすい

ゴミ屋敷では、紙類・布製品・プラスチックごみなど、燃えやすい物が大量に密集しています。
そのため、ひとたび火種が生まれると、一気に燃え広がってしまう危険性が高いのです。
特に生活ゴミには紙やプラスチックが多く含まれるため、溜め込むほど引火しやすく、火の勢いも強くなりやすいというリスクがあります。

火種に気づけないことがある

一般の家庭に比べ、ゴミ屋敷は大量のゴミが積み重なっているため、視界が悪く火種に気づきにくい環境になっています。
その結果、火がついても発見が遅れ、気づいたときにはすでに手がつけられないほど燃え広がっていることも少なくありません。

放火犯のターゲットにされてしまう

心ない悪意で火をつけられるという、最悪の事態が起こることもあります。
特に、ゴミが敷地の外にまであふれている状態は、放火の標的になりやすく非常に危険です。
ゴミが多いと死角ができやすく、犯人にとってはマッチやライターで簡単に火をつけられる環境になります。
一度外のゴミに火をつけられてしまえば、あっという間に燃え広がり、防ぐことが難しくなってしまいます。

ゴミ屋敷で火災が起きる主な原因

ものが多い室内

ゴミ屋敷が火事になる原因はさまざまです。
気づかないうちに、火災リスクを抱えてしまっているケースも少なくありません。

タバコの不始末やガスコンロの消し忘れ

「令和4年版 消防白書」によると、令和3年の主な出火原因の中で 「たばこ」火災は 3,042件(全体の8.6%) と、特に多いことがわかります。
さらに、その6割以上は“吸い殻の不適切な放置” が原因です。

ゴミが床一面に広がっている環境では、吸い殻がゴミの隙間に落ちても気づきにくく、火災に発展するリスクが一気に高まります。

また、代表的な原因として「ガスコンロの消し忘れ」 も挙げられます。
コンロが原因の火災は 2,678件(全体の7.6%) と多く、そのうち 1,154件は“消し忘れ” によるものです。

燃えやすいゴミが散乱しているゴミ屋敷では、どちらのリスクもさらに高くなるため、特に注意が必要です。

参考:令和4年版 消防白書

ストーブからの出火

住宅火災の原因として多い「ストーブ火災」。その多くは、使用者の不注意や誤った使い方 によって発生しています。
特に、布団・衣類などの 燃えやすいものを近くに置いたまま使用するケース が大部分を占めます。

一見安全に思われがちな電気ストーブも、紙や布に引火する危険性は同じです。
実際、ストーブ火災の中でも 電気ストーブが原因のケースは多く、カーテンや洗濯物が触れて火災に至ることがあります。

ストーブの近くに可燃物があると、わずかな接触でも着火してしまう危険性が高まります。
ゴミ屋敷の場合、ストーブ周りに可燃物が無秩序に積み上がっていることが多く、小さな火種でも一気に燃え広がりやすい環境になっているため注意が必要です。

コンセントやコード周辺で発生する電気火災

電気火災とは、電気や電気製品が原因で発生する火災のことを指します。
火を使っている意識が薄いため、気づきにくいのが大きな特徴です。

代表的な原因として、次のようなものがあります。

電気コードの損傷による火災

  • 家具で踏みつけてしまう
  • コードを束ねて使用する
  • 棚に挟まれて折れ曲がったまま使う

こうした状態は、コードの被覆損傷・温度上昇・短絡(ショート)・半断線による発熱 を引き起こし、火災につながります。

コンセント周りにゴミが積もっていると、火種に気付くのが遅れやすく危険です。
配線の被覆が傷んだまま使い続けると、大きな火災に発展する可能性があります。

マルチタップ(タコ足配線)による過負荷

コンセントが足りない場合に便利なマルチタップですが、容量を超える電気製品を接続すると発熱します。
その周囲に可燃物となるゴミがあると、一気に燃え広がる危険性があります。

トラッキング火災

電源プラグとコンセントの間に溜まったホコリが発火することで起きる火災です。
ゴミ屋敷では掃除が行き届かず、ホコリが溜まりやすいため、特に注意が必要です。

モバイルバッテリーの破損

落下などでケースが割れたモバイルバッテリーを使い続けると、発煙・発火の原因になります
破損したバッテリーは絶対に使用しないようにしましょう。

収れん火災

「収れん」とは、太陽光が鏡やレンズなどで反射・屈折し、一点に集中する現象のことです。
この収れんによって光が集まりすぎて発熱・発火するのが 収れん火災 です。

収れん火災の原因となるものには、以下のような日用品があります。

  • ガラス製の置物
  • ルーペ(拡大鏡)
  • ステンレス製のボウル
  • 水が入ったペットボトル(ゴミ屋敷で特に起こりやすい)

「夏だけのリスク」と思われがちですが、実は冬場こそ危険です。
冬は空気が乾燥しているうえ、太陽の高度が低くなるため、日光が部屋の奥まで届きやすく収れん現象が起こりやすい のです。

対策としては、

  • 日光が室内のどこまで差し込むか確認する
  • 光を集める可能性が高いものを窓際に置かない
  • カーテンやブラインドで日差しを遮る

といった方法が効果的です。

放火による火災

外までゴミがはみ出しているゴミ屋敷は、周囲からも目立ちやすく、放火犯に狙われるリスクが一気に高まります
特に、ゴミが積み上がって死角が多い状態だと、悪意ある人が近づきやすく、ちょっとした火種でも大きな火災につながってしまう可能性があります。

そのため、家全体を一度に片付けるのが難しい場合でも、せめて屋外に出ているゴミだけでも処分することが大切です。
外から見える部分が片付くだけでも、放火リスクを大きく下げることができます。

ゴミ屋敷で火災を防ぐためにできること

ゴミ屋敷を片付ける

ここからは、ゴミ屋敷で火災を未然に防ぐための具体的な方法を、ポイントを押さえながらわかりやすく解説していきます。

火の取り扱い方法を見直して安全を確かめる

まずは、日常生活での“火の扱い方”を見直すことが大切です。
コンロやストーブの消し忘れ、タバコの不始末など、ほんの少しの不注意が大きな火災につながることがあります。

特にゴミ屋敷の場合は、火の元になる物をできるだけ家から減らすことが重要です。
ライター・マッチ・ろうそくなどは引火のリスクが高いため、可能であれば処分しましょう。

また、火を使わない代替品を取り入れるのも有効です。
たとえば、タバコは電子タバコに変える、仏壇のお線香はLEDライト型を使うなどの工夫で、火災リスクを大幅に下げられます。

生活の中で完全に「火をゼロ」にすることは難しいですが、ゴミ屋敷での火災を防ぐためには、できる限り火の使用を減らし、安全な環境を作ることが大切です。

コンセント周りの見直しとトラッキング防止対策を行う

ゴミ屋敷で火事を防ぐためには、コンセント周りの安全対策も欠かせません。
まずは、ホコリをこまめに取り除き、使っていない家電のプラグは抜いておきましょう。

さらに、トラッキング火災を防ぐためのグッズを活用するのもおすすめです。
たとえば、「プラグ安全カバー」「コンセントキャップ」「ケーブルボックス」「安全タップ」などがあります。

また、電気コードを折れ曲がったまま使うと火災の原因になることがあるため、コードは屈折させずにまっすぐに使用することも大切です。

ストーブはこまめに消し、適切に使用する

ゴミ屋敷で火災を防ぐには、暖房器具の使い方にも注意が必要です。

就寝時や外出時、使わない部屋の暖房は必ずスイッチを切り、電源プラグもコンセントから抜きましょう。

灯油ストーブの場合は、給油の前に必ず火を完全に消し、灯油タンクの蓋がしっかり閉まっているか確認します。万が一灯油をこぼした場合は、必ず拭き取って処理しましょう。

ガスストーブの場合は、ガスホースや機器の経年劣化(ひび割れなど)を定期的にチェックし、必要に応じて交換します。使用中はこまめに換気し、一酸化炭素中毒にも注意してください。

いずれのストーブも、近くにものを置かないことが最も重要です。

ゴミ屋敷を片付ける

家に放置されたゴミを片付けることは、ゴミ屋敷の火災リスクを下げる最も基本的な対策です。

家の中にゴミが溜まっていると、火の不始末や思わぬ火種が引火して火災につながる危険があります。特に生活ゴミが多い部屋では、可燃性のものが多く、火が一気に広がりやすいのです。

火災を防ぐには、まず火が燃え広がる原因をなくすことが重要です。外にまであふれたゴミを片付けるだけでも、放火のリスクは大きく下がります。

もし自力で片付けるのが難しい場合は、片付け業者に依頼するのも有効な方法です。

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ゴミ屋敷で火災が発生したらどうなるの?

悩む女性

ゴミ屋敷で火災が起きると、想像以上に大きなリスクが発生します。
ここからは、その危険性について具体的にわかりやすく解説していきます。

自分や近隣住人の命を落とす危険性が高まる

ゴミ屋敷で火災が発生すると、住人だけでなく近隣の家にも燃え広がる危険性があります。これは、近隣住民の命にまで影響を及ぼす可能性があるということです。

ゴミ屋敷の火は一気に燃え広がる傾向があり、住宅が全焼する確率も高くなります。さらに、ゴミで通路が塞がれている場合、火災時に逃げ道が妨げられ、すぐに避難できないことがあります。これにより、火災によるけがや死亡のリスクも高まるのです。

家財や住宅などの財産を全て失う可能性がある

火災が発生すると、家具や家電などの家財を失う可能性があります。
さらに、消火活動で使用される水によっても家財が損傷することがあります。

家財を失った場合は買い直す必要があるため、その費用も負担となります。つまり、火災では家財だけでなくお金まで失うリスクがあるのです。

住む場所を失う

火災によって住む場所を失った場合、次の住まいが見つかるまでの生活は非常に不安定になり、心に大きな負担がのしかかります。
慣れ親しんだ環境を失い、日常生活の安心感がなくなることで、精神的なストレスも増えてしまいます。

さらに、安心して過ごせる環境を取り戻すためには、家財の買い替えや一時的な住居費など、経済的な負担も避けられません。

法的責任を免れない可能性もある

ゴミ屋敷が火元となった火災では、損害賠償や訴訟などのトラブルに発展するリスクもあります。
火災の損害賠償については「失火責任法」でルールが定められており、原則として「火が隣家に燃え移っても、火元に故意や重大な過失がなければ損害賠償は請求できない」とされています。

しかし、コンロの消し忘れやタバコの不始末、コンセントの過負荷放置など、明らかな過失がある場合には適用されないことがあります。賃貸住宅に住んでいる場合は、損害賠償とは別に「原状回復義務」が課されることもあり、火災保険に未加入だと修繕費を自己負担しなければなりません。

さらに、火災をきっかけに行政代執行が行われるケースもあります。火災の再発や建物倒壊の危険があると判断されれば、自治体がゴミの強制撤去を実施することが可能です。この場合、撤去費用は原則として住人負担となり、高額な出費を求められることもあります。

参考:明治三十二年法律第四十号(失火ノ責任ニ関スル法律)

本当にあったゴミ屋敷火災の事例

2015年8月、愛知県豊田市保見ケ丘で住宅火災が発生し、1棟が全焼、1棟が半焼しました。
幸いけが人はいませんでしたが、出火元となった家は地域で「ゴミ屋敷」として知られていたのです。

ゴミ屋敷火災は、起きてからでは手遅れになりかねません。火災による被害や損害を避けるためにも、さまざまなリスクを抱えるゴミ屋敷の状態から、一刻も早く抜け出すことが重要です。

自宅のゴミ屋敷化による火災を防ぐためには、生活が一変してしまう前に、できる限りの対策を実施することが必要です。

また、近所にゴミ屋敷があり、火災被害を受ける可能性がある場合は、損害賠償を請求できないケースもあるため、その前提で事前に対策をしておくことが大切です。

ゴミ屋敷火災から被害を受けないためにできること

スーツ姿の男性

近所にゴミ屋敷があると、悪臭や害虫の問題だけでなく、火災による被害も心配になりますよね。
ここからは、近隣に住む方の立場でできる対策方法について解説します。

火災保険に加入する

「失火ノ責任ニ関スル法律」では、火が隣家に燃え移った場合でも、火元に故意や重大な過失がなければ、原則として損害賠償は請求できないと定められています。

つまり、近所にゴミ屋敷があり、そこの住民が原因で火災被害を受けた場合、損害賠償を請求できない可能性が高いのです。万が一被害を受けても、火災保険に加入していなければ、損害を自己負担しなければならないケースもあります。

事前に火災保険に加入しておくと、ゴミ屋敷から火災被害を受けた場合でも、生活の立て直しがスムーズになります。特に、行政から何度も注意を受けている家や、過去にボヤ騒ぎを起こしたことがあるゴミ屋敷は、将来的に火災を起こすリスクが高いと考えられます。

大切な家財や持ち家を守るためにも、近くに不穏な雰囲気の家がある場合は、早めに火災保険に加入して備えておくことをおすすめします。

住人やその家族に話を聞く

近所のゴミ屋敷の住人が顔なじみであれば、直接話を聞いてみるのも有効です。
家がゴミ屋敷になった経緯や事情を把握できれば、支援の手を差し伸べやすくなり、結果として火災被害のリスクを下げることにもつながります。

しかし、住人の素性がまったくわからない場合は、直接関わるのは避けましょう。
不用意に接触すると、住人の反発を招き、かえって大きな近隣トラブルに発展する可能性があります。
そのような場合は、行政や専門機関に対応を任せるのが安全で無難です。

ゴミを勝手に片付けるのはやってはいけない

ゴミを勝手に片付けることは、住人の財産権を侵害する可能性が高いです。
ここでいう「財産権」とは、本人の持ち物を守るための権利のことです。
どんなに邪魔な物であっても、他人が勝手に持ち去ったり廃棄したりしてはいけません。

まずは、適切な相談窓口に連絡して助言や改善を求めることから始めるのが安全で確実な方法です。

まとめ

ゴミ屋敷は燃えやすいものが多く放置されているため、火がつくとあっという間に燃え広がってしまう危険な環境です。さらに、ものが多すぎると火種に気づきにくくなることもあります。

火災を防ぐためには、まず部屋を片付けて「燃え広がりにくい環境」を整えることが欠かせません。
ゴミ屋敷に住んでいる場合、自宅が常に高い火災リスクにさらされているという意識を持つことが大切です。

今すぐ全面的な片付けが難しい場合でも、コンセント周りの整理やストーブのこまめな消火、外にゴミを置かないといった日常的な対策を心がけるだけでも火災リスクは下げられます。

火の取り扱いを見直し、部屋を整理することで、安心して暮らせる環境を作りましょう。

今井ありこ

監修:今井ありこ

おうち整理士を運営しているGEEKS株式会社に勤めて4年。皆さまのお声に耳を傾けながらコラムを執筆しております。

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