遺品の処分方法4つ|処分できない理由と解決方法も徹底網羅
最終更新日:2024.11.25
亡くなった親族の遺品をそろそろ処分していかなければいけないと思ってはいるけれど、気持ちの整理が付かずなかなか捨てられない・・・。モノが大量で何から手を付ければ良いかわからない・・・。
と、お困りではありませんか?
ずっと置いておけないと分かってはいても「遺品」って簡単に捨てられるものではありませんよね。
こんにちは。おうち整理士の榛田(はりた)です。この記事では、遺品を整理できない人に向けて手放すコツや方法をご紹介します。
目次
遺品を処分する前の気持ちの整理
まず「遺品整理ができない」大きな理由のひとつに「心の整理ができていない」というものがあります。
故人が着ていた衣服、故人の趣味のコレクション、写真、アルバム、手作りのモノ・・・。どれも思い出がたくさん詰まっています。それをポイと簡単に捨てられるはずがない、そう思うのは当たり前です。
しかし、遺品を手放すことに罪悪感を持つ必要はありません。故人も、自分のモノをずっと手元に置いておいてほしいと望んでいるわけではないでしょう。残っている遺品と決別して前に進んでほしいと願っているのではないでしょうか。
故人は何も言えません。遺品を手放せるかどうかは、遺された家族の気持ちの問題です。「遺品整理」を行うことは「心の整理」を行うことでもあるのです。
「まだ心の整理ができていないから遺品を捨てられない」と言う方がいますが、心の整理をしてから遺品の整理をするのではありません。遺品を手放しながら「心の整理」をするのです。故人のためにも、覚悟を決めて、遺品の整理とともに心を整理していきましょう。
◼️今やらなければ一生出来なかった
12年前に亡くなったご主人の遺品を、ずっとそのままにしてあった奥様の遺品整理をお手伝いしたことがあります。なぜこのタイミングで整理することを決められたのか聞くと、「結局自分がやらなければいけないから」とおっしゃっていました。 主人の遺品をこのままにしておくと、自分が亡くなった後、また子供たちが同じように苦しい思いをしてしまうかもしれない。そう思って整理を決意したそうです。遺品整理を終えた後、ご主人が愛用していた眼鏡だけを手元に残して奥様は「心が軽くなった」と非常にスッキリしたご様子でした。
これまでたくさんの遺品整理をお手伝いしてきましたが、整理したことを後悔した方にはほとんど出会ったことがありません。この奥様も、非常に心苦しい中、一歩前へ進む決断をされたのです。
遺品を処分できない理由と解決方法
遺品整理した方が良いということもわかるし、気持ちの問題だということが理解できていても漠然と「なかなかできない・・・」と思っている方は多いのではないでしょうか?
整理できないのには理由があります。遺品を手放すことができるよう、その解決策をご紹介します。
モノが大量で何から手を付けて良いかわからない
人が一人生活していたままの状態の部屋は想像以上にモノが溢れています。
特に、生前整理や断捨離などをせずに亡くなった場合だと、普段使用しているモノよりも、「保管しているだけのモノ」の方が多かったりするので、すべて処分するだけでも困難を極めるでしょう。
《解決策》:何から手を付けて良いか分からない場合は、まず明らかに不要なモノから片付けていってみましょう。
その際、写真やアルバムのような思い出の品から手を付けはじめてはいけません。
思い出に浸ってしまい、作業が進まないからです。
どれだけモノがたくさんあってもはじめなければ終わりません。一歩踏み出すことが大切です。
思い出の品物は捨てたらバチが当たるような気がする
思い出の遺品。特に写真やアルバム、愛用していた眼鏡、手作りの人形など故人の思い入れが強く、そのままゴミ箱に捨ててしまうのは躊躇われるようなモノもたくさんありますよね。今後使わないと分かっていてもそう簡単に捨てられるものではありません。
《解決策》:思い入れがあってゴミとして処分しづらいモノは供養/お焚き上げをしてもらいましょう。
お焚き上げは、お寺や神社に持ち込んでお願いするのが一般的ですが、最近では神社へ郵送してお焚き上げをしてもらう宅配型のサービスなどもあります。
遺品整理業者に依頼すれば無料で供養/お焚き上げをしてくれる業者もあるため、自分に合った方法を選んで依頼しましょう。
「仏壇」など処分の仕方が分からないモノがある
仏壇や、位牌などをそのままゴミに出すのは少し気が引けますよね。
単純に処分方法が分からないし、もしかしたら手放すのに結構お金がかかるのでは…?と心配されている方も多いのではないでしょうか。
《解決策》:宗派によって異なりますが、魂入れなどの開眼供養を行なっている場合は魂を抜く作業「閉眼供養」を寺院・お坊さんに行ってもらいます。それが終わったら粗大ゴミとして処分できますが、心情的にゴミとして処分しづらいという場合は、お焚き上げしてもらいましょう。
遺品を処分するメリット
早く心の整理ができる
時間や遺品の置き場所に余裕があるのなら、心傷を抱く中で無理に早く遺品を処分しようとする必要はありません。ですが、先にも述べたとおり、遺品整理を行うことで心の整理もできます。遺品整理をはじめることが、自分の心と向き合う良いきっかけになります。
精神的なストレスがなくなる
ただ漠然と「遺品は置いておかなければいけない」「捨てたらバチが当たるかもしれない」とずっとストレスを抱えていては生きづらいですよね。思い切って、自分のためにも遺品を整理しましょう。
生きた証はモノではなく家族の心に残っています。自分が故人になった気持ちで、何を望んでいるのか一度考えてみましょう。
遺品を手放す方法
遺品をそのまま処分しづらい場合、ゴミに出す以外にも遺品を手放す方法があります。
親しい人に形見分けをする
故人が使用していた時計や文具、アクセサリーなど、捨てるのはもったいないと感じるような品物は、故人と親しかった人に形見分けして譲渡するという方法もあります。
ただし、もらう方の気持ちも考え、たくさん渡したり明らかに不要な遺品を渡さないように注意しましょう。
売却する
「処分」ではありませんが、遺品を「売る」という手段もあります。
もちろん、売れないモノもありますが、ゴミとして捨てるくらいなら売れるものは売りに出した方が、次の方が使ってくれるというメリットもあります。
着物や骨董品、故人の趣味のコレクションなど、自分では価値が分からない品物が案外売れる場合がありますので、一度買取に出してみるのがおすすめです。
>>あわせて読みたい「遺品の買取ってできるの?失敗しない売り方を遺品整理のプロが解説」はこちら
寄付する
売れないけれど、まだ使えそうなモノなどは寄付・寄贈もできます。
段ボールに詰めて指定の住所に送るだけで、被災地や物資が足りない国の子供たちに寄付してくれるボランティア団体があるため、活用してみてはいかがでしょうか。
遺品の整理が出来る上に、故人の遺品が社会貢献に繋がります。
不用品回収業者に依頼する
あまりにも量が多いような場合や、自分で運び出すことが出来ないほど大きいモノ、重いモノが多い場合は、普通ごみや粗大ごみで出すのが難しいため不用品回収業者に依頼すればすべてまとめて回収してもらいます。
料金はかかりますが、運び出しなどからすべて行ってくれるため料金以上の価値があるかもしれません。
プロの遺品整理業者に頼むことも
衣類や書籍など細かいものは自力で処分できても、電化製品やベッドなどの大型家具は簡単に処分できませんよね。
自分だけで行う遺品整理に行き詰まっている場合はプロの遺品整理業者に依頼するのがおすすめです。
遺品整理業者なら一人では重くて持ち運べないような大きな家具・家電もまとめて引き取ってくれる上に、仕分け作業から手伝ってくれる遺品整理業者もいるため、モノが多すぎて何から手を付ければ良いか分からないという場合も、相談に乗りつつ進めてくれます。
また、不用品回収業者と違い「遺品」を扱うという意識が高いため、売れそうな品物は勝手に処分せず買い取ってくれたり、相続周りの相談に乗ってくれる業者もいます。
自分で遺品整理をすることが難しければ、躊躇せずプロの遺品整理業者に依頼しましょう。
「何からしていいかわからない」という方はとりあえず見積もりをしてみるのも一つの手です。10秒程度で遺品整理の費用相場がわかりますよ。
【簡単】10秒で完了!
業者選びにはご注意を
結局処分することになるかもしれないとはいえ、遺品はすべて生前故人が大切にしていたモノです。そんな遺品をぞんざいに扱われるよりは丁寧に扱ってくれる業者に頼みたいですよね。
「遺品整理」という言葉が世間に浸透するようになって遺品整理業者も年々増えています。そんな中で、自分に合った良い遺品整理業者を見極めることも大切です。
良い業者の特徴
電話や出張スタッフの対応が丁寧
業者選びの際に、まずは電話で依頼した時のスタッフの対応をしっかり見ておきましょう。出張スタッフの対応もそうですが、態度が悪い業者は遺品の扱いが丁寧でない場合が多いため、要注意です。
無料で見積に来てくれる
見積の際にお金が発生するような遺品整理業者には注意が必要です。料金の有無については電話口でしっかりと確認しておきましょう。
遺品整理の実績がある
新規参入が多く遺品整理の作業自体になれていない会社も多い中、しっかりとお客様先への訪問・作業実績がある会社は信用できます。 ホームページに作業実績や年間・月間の作業件数が記載されている場合が多いので、確認してから依頼するのがおすすめです。
最終的に業者に依頼しないとしても、第三者に相談して意見を聞くことで、一人で抱えていたモヤモヤが一気になくなることもありますよ。
まとめ
遺品を手放すことに罪悪感を抱く必要はありません。あなたの大切な故人も、自分の残したモノで残された家族が辛い思いをすることを望んではいないはずです。遺品の整理は心の整理。生きた証はモノではなく家族の心に残っています。
故人のため、そして自分の今後の生活のためにも遺品整理に取り掛かってみてはいかがでしょうか。
これまでにおうち整理士で700件以上の遺品整理を担当。特殊清掃、リフォーム、骨董品買取など幅広い経験を重ねた上で知識を取得し、お客様に寄り添った仕事をモットーとしている。一般社団法人 遺品整理士認定協会「遺品整理士」を所持。