終活年賀状とは|正しい年賀状じまいの方法とマナーを徹底解説
最終更新日:2023.05.15
新年の挨拶に欠かせない年賀状。子供の頃は届いた瞬間に郵便受けまで駆け出したことのある人もいるでしょう。ですが、年をとるにつれて準備や手配が負担に感じるようになることも。
今回は、新年の挨拶を今年で辞退することを伝える終活年賀状(年賀状じまい)のメリットデメリットや正しい書き方、例文、知っておきたいマナーをご紹介します。
こんにちは。おうち整理士の榛田(はりた)です。終活の一環で年賀状じまいをする人が増えています。最後の挨拶にもなる年賀状、きちんとマナーを押さえて綺麗に終わりたいものですね。
終活年賀状とは?
終活年賀状とは、「本年を最後に新年の挨拶を辞退する」と伝える最後の年賀状のことを指します。従来は「年賀状じまい」と呼ばれていましたが、終活が広まるにつれて「終活年賀状」と呼ばれるようになりました。
終活とは?
終活とは、人生の終わりを見据えて身辺の整理をする活動のことです。身の回りの物で不要な品を処分して身軽にしたり、自身の財産を整理したりします。自分の死後、遺族が困らないよう自分にまつわる情報や葬儀の希望をエンディングノートに書くなど、活動は多岐に渡ります。年賀状じまいもその一環です。
終活年賀状のメリット・デメリット
終活年賀状にはメリットとデメリットがあります。どういった特徴があるのかご紹介します。
終活年賀状のメリット
広がりすぎた交友関係を整理できる
年賀状は付き合いのある人に送るものですが、年を経るごとに送る相手が増えていくものでもあります。「もう何年も会っていないのに、年賀状だけは送り続けている」という相手もいるでしょう。終活年賀状を送り新年の挨拶を辞退することで、広がりすぎた交友関係を整理することができます。
年賀状作成の手間がなくなる
以前は手書きの人が多くいましたが、最近ではパソコンで年賀状を作成する人が増えています。とはいえ、年賀状を用意し、図柄を決め、宛名を確認して印刷して……という手間はあまり変わりません。終活年賀状を出すことで、年賀状を用意する労力を省くことができます。
終活年賀状のデメリット
年賀状だけだった交流関係が途絶えてしまう
年賀状は「以前は仲が良かったけれど、引越しなどで頻繁には会えなくなってしまった」という交流相手との連絡手段でもあります。「頻繁に手紙を送るほどではないけれど、消息は知っておきたい」という相手との連絡が途絶えてしまう可能性もあります。
時折で良いから連絡を取りたいという相手には、他の連絡手段を添えておきましょう。
終活年賀状の書き方
終活年賀状には書き方があります。どういった内容を書けばいいのか確認してみましょう。
終活年賀状の書き方のポイント
挨拶は丁寧に
年賀状なので、新年の挨拶を冒頭に入れます。「謹賀新年」「あけましておめでとうございます」など定番の文言で大丈夫です。
近況を添える ※いきなり要件を切り出さない
終活年賀状の目的は「新年の挨拶を今後は控える」と伝えることですが、いきなり用件を切り出すのは失礼にあたります。相手は新年の挨拶として年賀状を受け取るので、新年の挨拶と共に簡単な近況を添えましょう。
全員に出している旨・今後もお付き合いは継続する旨をはっきり書く
「今年で挨拶を最後にさせていただく」という通知は受け取った人に少なからずショックを与えます。必ず「全員に出している」旨を記載しましょう。また、年賀状は送らなくなるけれどこれまでと変わらない付き合いをしたい旨も書いておきましょう。
いつから不要なのか明確に告げる
「今年限りで新年の挨拶は辞退させていただきます」「来年からは挨拶を控えさせていただきます」のように、いつから新年の挨拶をしなくなるのか明確にしましょう。
他の連絡先をつける
終活年賀状では、今後の連絡先を知らせるのがマナーです。メールアドレスやSNSのアカウントなど、今後の連絡先を明記しましょう。
終活年賀状の例文4つ
終活年賀状の例文を4つご紹介します。
親しい方向けへの例文
あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくおねがいいたします。
SNS全盛の昨今、私も交流の場をSNSに移そうと考えております。つきましては、皆様と交わしていた年賀状を今後はご遠慮させていただきたく存じます。
すでにSNSでは交流のある方も、そうでない方も、今後ともお付き合いいただけますと幸いです。
IDは〇〇となっております。皆様からのご連絡お待ちしております。
ビジネス向けの例文
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。。
大変恐縮ですが、本年を持ちましてどなた様とも年賀状でのご挨拶を控えさせていただくこととなりました。社の方針としてペーパーレスを推進しており、今後はがきでの年始のご挨拶を控えさせていただきたく存じます。
今後はメールや電話等でご連絡させて頂ければ幸いです。
家族と話し合った結果の場合
あけましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。
SNSが盛んな昨今、家族と話し合い、今後は新年の挨拶をメールやSNSで行わせていただくこととなりました。今年をもちまして年賀状での挨拶は控えさせていただきます。
今後はSNS上で交流を深めていきたいと考えております。何卒よろしくお願いいたします。
SNSのIDはこちらです。
〇〇〇
終活年賀状を送る際に注意したいこと
終活年賀状を送る際に知っておきたいことがあります。
終活年賀状を送るべき年齢は?
「終活年賀状」と聞くと高齢者を対象にしているような印象を持ちますが、特に年齢に決まりはありません。昨今ではSNSの発展により、20代や30代の人も「今後の新年の挨拶はSNSで」と年賀状を終わりにすることもあります。
終わるのは年賀状だけで付き合いまで終わるわけではないこと
誤解のないようにしておきたいのが、年賀状を送るのをやめるだけでその他の交流はそのまま継続するという点です。これは、相手にも誤解のないよう言葉を選んで伝えましょう。
寒中見舞いで辞退する場合には
年賀状ではなく寒中見舞いで今後の新年の挨拶を控える旨を伝える場合には、通常の寒中見舞いと同じく1月7日の松の内があけてから2月4日の立春までに投函するようにしましょう。
まとめ
昔は手紙が唯一の連絡手段でしたが、現代ではSNSをはじめさまざまな連絡手段があります。年賀状の代わりにSNS上で挨拶する人も増えています。終活を視野に入れ、年賀状での挨拶を控える場合にはマナーにのっとった連絡をしましょう。
これまでにおうち整理士で700件以上の遺品整理を担当。特殊清掃、リフォーム、骨董品買取など幅広い経験を重ねた上で知識を取得し、お客様に寄り添った仕事をモットーとしている。一般社団法人 遺品整理士認定協会「遺品整理士」を所持。