セルフネグレクトになる若者|対応策と汚部屋の解決方法を解説
最終更新日:2025.11.14
部屋が散らかっているけど片付ける気力がない…。お風呂に入るのも面倒…。
そんな状態が続いているなら、『セルフネグレクト(自己放任)』のサインかもしれません。
でも、安心してください。
「もしかして自分は…?」と気づけたことが、すでに解決への第一歩です。
かつては高齢者に多いとされていたセルフネグレクトですが、今では若い世代にも広がっており、年齢や性別を問わず誰にでも起こり得る心の問題です。
この記事では、若者に見られるセルフネグレクトの特徴や原因、解決のヒントをわかりやすく解説していきます。
目次
セルフネグレクトってどういう状態?

「セルフネグレクト」とは、
セルフ=自分自身、ネグレクト=世話の放棄、という意味の言葉です。
つまり、生活環境が悪化しているのに、それを改善しようという気力を失い、周囲に助けを求めない状態のことを指します。
たとえば、食事や掃除、入浴などの基本的な生活行動ができなくなったり、家族や友人の助けを拒んでしまったりして、次第に社会的に孤立していくケースもあります。
本来であれば当然行うべき日常生活の行動ができなくなり、心身の健康や安全が危険にさらされてしまう状態——それがセルフネグレクトです。
(参考:厚生労働省「セルフ・ネグレクトや消費者被害等の犯罪被害と認知症との関連に関する調査研究事業」報告書)
セルフネグレクトのチェックリスト
セルフネグレクトかも?と思った人は、以下のチェックリストを参考にして、状態を照らし合わせてみましょう。
- お風呂、洗顔、歯磨きなど自分のケアができなくなっている
- 部屋が散らかっていて、掃除が行き届いていない
- ゴミを出さずに、異臭がしても部屋に溜めた状態
- 物が捨てられない
- いつも同じ服を着て、衣類や身体の不衛生が放置されたまま
- 郵便物を放置している
- 家賃や公共料金を滞納し、電気が止まるなど不便な状況になっても放置してしまう
- 食べ過ぎ、食べなさ過ぎなど、適切な食事が取れない
- 社会的な交流が減少し、孤立している
- 必要な支援を拒否している
- 必要な受診、治療を拒否している
チェックが入った項目が多い場合、セルフネグレクトの可能性があります。
本人からは助けを求めるのが難しいことも多いため、周囲の人が意識的に声をかけたり、サポートしてあげることが大切です。
若者がセルフネグレクトになってしまう要因
セルフネグレクトの原因は、現時点ではまだはっきりと特定されていない部分が多いとされています。
ただし、セルフネグレクトになっていく背景として以下のような要因があります。
核家族化してきた
かつては大家族の中で暮らすことで、自然とコミュニケーション能力が育まれ、悩みを相談できる相手も身近にいました。
しかし近年は、家庭の核家族化が進み、人とのつながりが希薄になっています。
その結果、悩みを打ち明ける機会が減り、若者が孤立しやすい環境になっているのです。
ネット関係に依存してリアルでの対人関係が築けない
インターネットの普及やSNSの発達により、私たちのコミュニケーションの幅は大きく広がりました。
しかしその一方で、家族や友人など大切な人と直接会って話す機会が減ってしまいました。
対面でのコミュニケーションに慣れていないと、人と会うこと自体に抵抗を感じるようになることもあります。
その結果、自宅に引きこもり、インターネット上だけで交流するようになり、セルフネグレクトになってしまうケースも見られます。
便利になった反面、相手の声のトーンや表情といった“ちょっとした変化”に気づきにくくなったことも、SOSを見逃す一因となっています。
ゴミ捨てのルールについていけなくなる
ネット通販の普及や100円ショップ、プチプラ商品の増加により、物を手に入れることがとても簡単になりました。
しかしその一方で、「手放すこと」は以前よりもずっと難しくなっています。
今は“安く・手軽に・すぐに”欲しいものを手に入れられますが、処分には手間や費用がかかります。
多くの地域では分別が細かく、指定された日や時間にしかゴミを出せません。
そのため、気づかないうちに物やゴミが溜まりやすくなり、やがてセルフネグレクトへとつながってしまうケースもあります。
収入が少なくて思ったような生活を送れない
安定した職に就けず、非正規雇用や長時間労働といった不安定な就労環境で働く若者も少なくありません。
厚生労働省の調査(2018年)によると、日本の相対的貧困率は15.4%。つまり、およそ7人に1人が貧困状態にあるとされています。
貧困は高齢者や母子家庭だけの問題ではなく、若者にも深く関係しています。
栄養バランスの取れた食事をとる、体調不良のときに病院を受診するなど、健康的な生活を送るには、ある程度の収入が必要です。
しかし、非正規雇用や低収入によって生活が不安定になると、家賃や光熱費の支払いが滞ったり、食生活が乱れたりすることもあります。
こうした厳しい経済状況は、セルフネグレクトの背景にある重要な要因のひとつといえるでしょう。
(参考:2019年 国民生活基礎調査の概況「貧困率の状況」)
心の問題がある場合も
現代はストレス社会といわれ、若者の間でもうつ病や適応障害などの精神疾患を抱える人が増えています。
厚生労働省の調査によると、精神疾患を有する総患者数は平成14年の258万人から、平成29年には419万人へと大幅に増加しています。
(参考:第7次医療計画の指標に係る現状について「精神疾患を有する総患者数の推移」)
うつ状態になると、何をするにも億劫に感じてしまい、着替えや掃除など日常生活の基本的な行動さえ難しくなることがあります。
その結果、身の回りのことを放棄してしまい、セルフネグレクト状態になるケースも少なくありません。
また、20〜40代でも若年性認知症が原因で「捨てる」「片づける」といった判断ができなくなり、収集癖や不潔行為が見られることもあります。
さらに、若者の中にはセルフネグレクトになっても「恥ずかしい」「甘えていると思われたくない」「人に迷惑をかけたくない」といった気持ちから、援助を求めることに抵抗を感じる人も多くいます。
弱みを見せたくないというプライドや遠慮の気持ちが働き、誰にも相談できないまま状況が悪化していくケースもあります。
特に、家族や社会とのつながりが薄い若年層ほど、周囲に気づかれにくく、発見が遅れて深刻化する危険性が高いのです。
セルフネグレクトになりやすい若者

セルフネグレクトは誰にでも起こり得る問題です。
しかし、生活環境や心の状態によって、セルフネグレクトになりやすい若者には共通した特徴があります。
ここでは、どんな人が特に注意が必要なのかを見ていきましょう。
仕事が激務
私生活よりも仕事を優先して忙しく過ごしている人は、家事をする気力や、しっかり食事をとる時間が取れないことも少なくありません。
その結果、掃除が追いつかず、食生活が乱れて、生活環境が少しずつ悪化していくことがあります。
また、地域によってはゴミ出しのルールが厳しく、時間帯などの制約から「出したくても出せない」状況が続くことも。
こうした環境が積み重なることで、不規則な仕事をしている人はセルフネグレクトになりやすい傾向があります。
物を捨てられない
「もったいない」「物を大切に」という気持ちは、とても大切なことです。
ですが、その気持ちが強すぎると、不要なものを捨てられずに部屋が物であふれ、生活環境が悪化してしまうこともあります。
捨てられない理由が「どうやって捨てればいいかわからない」「ケガや病気で片付ける力がない」といった場合は、周りのサポートを受けることで、セルフネグレクトから抜け出しやすくなります。
一方で、一般的にゴミとされるものをゴミだと思わず、周囲の助けも拒んでしまう場合は、症状が悪化しやすい傾向があります。
インターネットに依存している
SNSやオンラインゲームに依存する傾向は、特に若者に見られます。
「昼夜逆転」「外出しない」「人と会わない」といった生活習慣の乱れが、そのままセルフネグレクトの兆候につながることもあります。
インターネットへの過度な依存は、現実の人間関係を希薄にし、生活リズムや自己管理を乱す原因になります。その結果、セルフネグレクトに近い状態になってしまうこともあるのです。
孤独や不安がある
人間関係が希薄で社会的に孤立している人は、孤独や不安を紛らわせるために、つい物を大量に購入してしまうことがあります。
この場合、物を捨てることに強い抵抗を感じ、部屋が片付かない傾向が見られます。不安や恐怖から物を溜め込み、周囲との関わりを避けることも少なくありません。
社会的な交流が減ると、生活への意欲も低下しやすく、身なりに気を遣わなくなるため、症状が進行しやすい傾向があります。
周りに助けを求められない
悩みがあっても、人に頼れず自分だけで抱え込んでしまう人も注意が必要です。
特に女性の場合は生活環境が悪化していても、外では身なりを整えているケースが少なくありません。
身だしなみが整っていると、周囲は異変に気づきにくく、状況が悪化しやすい傾向があります。
セルフネグレクトを放置するとどうなる?
セルフネグレクトになると、本人の健康状態や居住環境が悪化します。
食事をきちんと摂らずに栄養失調になったり、持病やケガがあっても病院に行かなくなったりすることがあります。
長期間、入浴や歯磨きを怠るなど身体的ケアができなくなると、自分でも気づかないうちに病気が進行することもあります。
掃除や片付けをしなくなると、部屋は「ゴミ屋敷」状態になりがちです。
生ごみが溜まれば異臭が漂い、ゴキブリやハエなどの害虫が発生し、衛生面で深刻な問題を引き起こすこともあります。
悪臭や害虫は近隣にも影響を与え、周囲との人間関係に支障をもたらす場合もあります。
さらに、地域住民との関わりが希薄になることで社会的孤立を招き、ゴミ屋敷の場合は家族(親族)から距離を置かれることもあります。
そのため、孤立死との関連も指摘されています。
(参考:厚生労働省「セルフ・ネグレクトや消費者被害等の犯罪被害と認知症との関連に関する調査研究事業」報告書)
セルフネグレクトかな?と思ったら

セルフケアが難しいと感じるときは、一人で抱え込まずに専門家に相談することが大切です。
早めに相談することで、生活の改善や健康の維持につなげやすくなります。
行政や病院に相談する
医療機関に相談する場合は、まずかかりつけ医がいる方はその先生に相談してみましょう。
メンタルヘルスの問題がある場合は、カウンセラーや心療内科医に相談するのがおすすめです。
セルフネグレクトやゴミ屋敷については、行政や医療機関でも相談できます。
地域包括支援センターは、住民の健康や生活の安定のために必要な支援を行っており、必要なサービスにつないでくれる施設です。
また、自治体によってはゴミ屋敷への対策に力を入れており、相談窓口を設置している場合もあります。
自助グループに参加する
自助グループとは、似たような経験を持つ人たちが集まり、お互いの悩みを共有して支え合う場です。
グループ内で自分の気持ちを話したり、他の人の経験から学んだりすることで、セルフネグレクトを克服するヒントを得ることができます。
ゴミ屋敷片付けの専門業者に依頼する
部屋の片付けや掃除が追いつかない場合は、専門の業者に依頼するのも一つの方法です。
「今すぐどうにかしたい」という場合にも効果的で、自分で片付けなくてもプロに任せることで解決できます。
高齢の方の場合は、生前整理として遺品整理業者に相談するのもおすすめです。
おうち整理士の場合は関西圏であれば最短即日対応できます。
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まとめ
セルフネグレクトは、誰にでも起こり得る心の問題です。
まずは「もしかして…?」と気づくことが、解決への第一歩。
セルフケアが難しいと感じたら、一人で抱え込まずに専門家へ相談しましょう。
また、本人から助けを求めにくい場合があるため、周囲の人が声をかけて支えることも大切です。
散らかった部屋は、自分で無理に片付ける必要はありません。
専門の業者に依頼して片付けてもらうのも一つの方法です。
心身の健康を優先し、人とのつながりを大切にすることが、セルフネグレクトを防ぐ一番の近道です。
