特殊清掃の料金相場って?かかる費用と実例、失敗しない業者選びのコツもあわせて解説
最終更新日:2024.11.19
事件や事故、孤独死で亡くなった後、そのままの状態で時間が経ってしまったお部屋などは、いわゆる「特殊清掃」を行う必要があります。
実際に、ご親族が孤独死などで亡くなって原状回復が必要になった場合、
「特殊清掃の料金相場っていくらくらいなの?」
「とんでもなく高い費用を請求されたらどうしよう・・・」
など、費用の相場感が分からないと不安になりますよね。
こんにちは。おうち整理士の榛田(はりた)です。今回は、特殊清掃の現場経験が豊富な私が、特殊清掃にかかる料金と業者選びのポイントを解説します。
目次
そもそも特殊清掃って?
「特殊清掃」とは、人が亡くなっていた場所で部屋を原状回復するために必要な専門的な作業のことです。
事件現場や自殺、孤独死で亡くなってから発見が遅れた場合など人の死後、部屋には血液や体液、腐敗臭がすぐに充満してしまいます。検死のためご遺体そのものは警察によって運び出されていますが、部屋や家具などはそのままです。そのような部屋の臭いや染みは市販の洗浄剤などでは簡単に消せません。
人が亡くなっていなくても、ゴミ屋敷で生ゴミが溜まっている家などの場合も一般的な”掃除”では元通りにできません。血・体液・死臭・腐敗臭・害虫を伴うような部屋で特殊清掃作業員が消臭・除菌作業などを行います。
特殊清掃にかかる費用
結論から申し上げますと、特殊清掃に料金相場は存在しません。なぜなら、お部屋の状態やどんな作業が必要かによって費用が全く異なるためです。
ほとんどの業者が特殊清掃にかかる費用相場を、下記のように間取りで記載しています。
しかし、実際は特殊清掃にかかる料金はトラックの積載量・作業量(人件費)で決まります。
例えば、火災現場の特殊清掃のようにすべての部屋の跡やニオイを消す必要がある場合は、間取りによって費用が変わりますが、孤独死されたお部屋の場合、一部屋のみの清掃となるため、間取りはほとんど関係ありません。加えて、消毒や消臭のために、オゾン発生器や特殊な薬剤を使用する必要がある場合は、材料費として料金が発生することがあります。間取りでの料金提示は間違いではありませんが、大まかな目安として捉えておくほうが良いでしょう。
さらに細かい業務内容はこちらからご確認いただけます。
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物量ごとにかかる料金
トラックの積載量は、2トン平トラックで約6万~7万円程度が一般的な相場です。
品物のサイズにもよりますが、
- ・シングルベッド×1
- ・ファミリー用冷蔵庫×1
- ・自転車 ・洗濯機 ・メタルラック
- ・洋服タンス ・ハンガーボックス
- ・上記プラス段ボール20個
など、一人暮らしの引っ越しに使う程度の量は入ります。
特殊清掃の料金事例
わたしたちおうち整理士のスタッフが実際に特殊清掃作業を行ったお部屋の料金事例をご紹介します。
事例1. 1DKの賃貸物件
- ■作業人数:2名
- ■作業時間:6時間
- ■費用:132,000円(税込)
孤独死で亡くなった方の賃貸物件の清掃作業の費用事例です。
亡くなってから発見まで一週間以上経過していたため、ご遺体周りの腐敗が進んでおり、消臭・消毒が必要な状況でした。1日目に消臭・消毒作業を行い、時間を空けるため2日目に清掃作業と遺品の運び出し作業を行いました。賃貸物件のため原状回復を求められており、結果的に2日間を要したものの、元の部屋に近い状態にまで戻すことができました。
消臭と消毒作業を丁寧に行うことで、次の方が住めるレベルにまで回復させることができます。
事例2. 1LDKの賃貸物件
- ■作業人数:3名
- ■作業時間:6時間
- ■費用:385,000円(税込)
こちらも発見された際にはすでに死後一週間が経過していました。下の階の方から「虫が湧いている」と通報があり、亡くなったことが発覚したそうです。
夏場だったということもあり、蛆(うじ)が湧いてニオイもかなりきつい状況でした。遺品整理の方は後回しでも良いのでとにかく早急に清掃して欲しい、とのことでご依頼者様から鍵をお預かりし、すぐさま作業に。
害虫駆除を行った後、清掃に取り掛かりましたが、フローリングにまで体液が染み込んでおり、清掃作業は困難を極めました。最終的にはニオイや染みを全て除去し、遺品整理も行って、ご依頼者様からご満足いただける状態までお部屋を元通りにすることができました。
とくに夏場は1日遅れるだけで状況が悪化し、それに伴い費用も上がってしまうため、早めの対応が必要になります。
事例3. 3LDKのご実家
- ■作業人数:1名
- ■作業時間:4時間
- ■費用:77,000円(税込)
孤独死で亡くなった方のお部屋の清掃作業でしたが、持ち家ということもあり、ご遺族の要望でリフォームをすることに。
リフォームは別の会社にご依頼されていたため、原状回復は必要ないとことで、ご遺体のあった場所だけ畳を剥がして清掃作業は終了しました。ほとんど清掃は必要なかったため、かかったのは遺品の回収費用のみです。
同じ特殊清掃が必要なお部屋でも、このように、状況によっては簡単な清掃作業で済む場合もあります。
特殊清掃費用100万円はぼったくり?
「特殊清掃の見積もりを依頼したら100万円かかると言われた!ぼったくりではないか?」というようなご相談をお受けすることがあります。たしかに、100万円という金額だけ聞くと高すぎる気がします。
しかし実際にお部屋にお伺いすると、妥当な金額だったというケースがほとんどです。お部屋の状態にもよりますが、通常の、物を撤去する片付け作業と異なり、特殊清掃が必要な場合は作業量が増えるためその分費用も高くなります。
特殊清掃は決して簡単な作業ではありません。安価で済ませるのは難しいでしょう。
ただし、そういった事情に漬け込み「ぼったくり」を行う業者も残念ながら存在することは事実です。
請求された金額が妥当かどうか、相場感を知るため、依頼する前に必ず何社かに見積もりをとりましょう。
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特殊清掃で行うこと
特殊清掃で行う主な作業には、
消毒作業/不用品処分/特殊清掃/害虫駆除/消臭/オゾン消臭・脱臭・除菌
があります。
- ■消毒作業
- 感染症などの予防のために清掃の前に部屋の消毒を行います。
- ■不用品処分(遺品整理)
- 家電や家具などの不用品を運び出します。部屋に残しておきたいという場合は、マスキングテープなどで覆って作業していきます。
- ■特殊清掃
- 壁や床に染み付いた血液や体液を特殊な洗剤で取り除いて行きます。床下まで染み込んでしまっている場合はフローリングや畳を剥がすこともあります。
- ■害虫駆除
- 死後時間が経過するほど死臭が蔓延し、ハエやウジ、ゴキブリが大量発生します。卵を産んでどんどん繁殖してしまうため、増えないようにしっかりと元から駆除します。
- ■消臭
- 死臭は消臭剤などでは完全になくならないため、臭いの元となる成分を薬剤や機材を使用して分解します。
>>あわせて読みたい「特殊清掃って何をするの?遺品整理との違いは?実際にあった特殊清掃の例もご紹介」はこちら
特殊清掃が必要な場合は早めに対応を。
人が亡くなった部屋や、生ゴミがある場合などは、処理が遅れるほど、腐敗が進みます。その分、清掃作業も困難になり、最終的にかかる費用も高くなってしまいます。更に、現場を放置すると、腐敗臭が充満し、近隣トラブルにつながるおそれもあります。
特殊清掃が必要だと感じたらできるだけ早めに業者に依頼するようにしましょう。
業者選びのポイント
電話対応が丁寧
作業スタッフの態度が横柄だったり、きちんと清掃してくれない業者には依頼したくありませんよね。
良い業者を知りたい場合は、「電話対応が良いかどうか」をチェックしましょう。電話応対が丁寧なら、実際に来訪する作業スタッフの作業も丁寧な場合が多いです。
電話の時点で少しでも怪しいと感じたら、訪問見積もりを断りましょう。
見積もりの内訳を提示してくれる
訪問見積もりの際、基本的に優良業者であれば、どの作業にいくらかかっているかの内訳を提示してくれます。
相見積をとる際にも、他社の見積もり料金の内訳が分かっていた方が交渉しやすいので、お願いしてもらっておくと良いでしょう。
もし内訳を教えてくれない業者がいれば、何らかの教えたくない理由があるということです。少しでも信頼できないと感じたら、契約しないようにしましょう。
作業実績がある
近年、遺品整理や特殊清掃の需要が高まり、業界へ新規参入する会社も増えています。
作業実績のない会社だと、慣れているスタッフがおらず作業が粗かったり、「悪徳」と言われるようなことをしている業者も少なくありません。
ホームページに作業実績が記載されているので、しっかりと実績のある業者を選んで依頼しましょう。
安すぎる業者には注意
料金が安い業者をついつい選んでしまいますが、格安を謳っている業者には注意しましょう。
見積もり時に格安金額を提示して、契約したら作業当日に「オプション費用」と称して最終的にとんでもない高額料金を請求してくる、なんて悪い業者も存在します。
見積もりの段階で、追加料金がかかる可能性があるか、どういった場合にかかるかなどをしっかりと確認してから契約しましょう。
まとめ
「特殊清掃」と聞くと、大変なことという印象があるため尻込みしてしまいますが、業者選びさえ失敗しなければ、あとは全て任せられるため心配する必要はありません。何社かにしっかり見積もりをとって相場感を把握し、その上で信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
わたしたちおうち整理士でも特殊清掃を行っております。
「まだ依頼するつもりはないけれど、ちょっと話を聞いてみたい・・・」というご相談だけでも大歓迎です。
これまでにおうち整理士で700件以上の遺品整理を担当。特殊清掃、リフォーム、骨董品買取など幅広い経験を重ねた上で知識を取得し、お客様に寄り添った仕事をモットーとしている。一般社団法人 遺品整理士認定協会「遺品整理士」を所持。