四十九日までにしてはいけないこととは?知っておきたい決まりやマナー
最終更新日:2024.11.19
葬儀や弔問の際のマナーはよく耳にしますが、四十九日のマナーとなると遺族にならない限り触れることはありません。四十九日が過ぎてから「やってはいけなかったのか」と知っても後の祭り。この記事では、四十九日までしてはいけないことやしておいた方がいいことをご紹介しています。故人を亡くした痛みを癒す大切な時間を有意義に使うお手伝いができれば幸いです。
こんにちは。おうち整理士の榛田(はりた)です。今回は、意外と知られていない49日のマナーや決まりをご紹介します
目次
そもそも四十九日とは?
仏教では、人が亡くなると極楽に行ける裁判が開かれると言います。しかも、1回ではなく7日おきに7回です。故人が亡くなってから最初の7日目を「初七日」、最後の裁判が終わる日を「四十九日」と呼びます。本来は7日ごとに法要を行っていましたが、時代の移り変わりと共に変化し、名残として四十九日の法要が残っているのです。
四十九日までにしてはいけないこととは?
新年に年賀状ではなく喪中はがきを受け取った経験のある人も多いでしょう。あれは、喪中に年始の挨拶を控えるために出すものです。同じように、四十九日までは「してはいけない」と言われている事柄があります。具体的にどういったことをしてはいけないのか、見ていきましょう。
忌中や喪中は祝い事を避ける
「喪中はがき」や「喪中」といった言葉があるように、仏式には「喪中」や「忌中」という考え方があります。喪中は故人を亡くしてから1年間、忌中は四十九日法要が終わるまでの期間を指します。
「喪中の時に派手なことをしてはいけない」と思う人もいるでしょう。日本では昔から「死」は「穢(けが)れ」と考えられており、穢れを他の人に移さないために行事などを控え、家に閉じこもるのが一般的でした。現代では学校や仕事の関係で49日間閉じこもるのは難しいため、その名残として「忌引き休暇」などがあります。
四十九日法要が終わるまでの忌中の間にしてはいけないことをご紹介します。
結婚式、七五三
結婚式などの祝い事や華美な席は遠慮しておきましょう。その際、欠席の理由をありのままに書くと結婚式での忌み言葉に引っかかってしまいます。
「事情があり、出席できません」等理由をぼかし、後日祝いの品を贈ることで祝福の気持ちを表しましょう。
自分自身の結婚式の場合も、延期をしたほうが無難です。どうしても日付にこだわりがある場合には、入籍だけ済ませることもできます。「華美な式」を避けたほうが良いだけなので、結婚すること自体がいけないということはないのです。
同じ理由で、七五三も会食などをセッティングしている場合には時期をずらしたほうがいいでしょう。
年始の挨拶
めでたいことを控えるという意味で、年始の挨拶や年賀状の送付、新年会は控えましょう。年賀状は喪中はがきを年が変わる前に送っておき、新年の挨拶ができないことを詫びておきます。
お年玉に関してもあげないほうがいいという説もありますが、楽しみにしている子供たちにお小遣いとしてあげたり、事前に預けておくケースもあります。そこまで厳密に決まっていないので、親族間で話し合ってもいいでしょう。
お中元やお歳暮
お中元やお歳暮はめでたいものではなく、日頃の感謝を伝えるための品ですが、「穢れを移さない」という意味で忌中は避けたほうがいいと言われています。もし、お中元やお歳暮の時期と忌中が重なった場合には、あらかじめ先方に非礼を詫びておきましょう。
四十九日の法要が終わり、忌明けとなった場合には問題がないと考える人の方が多いようです。
神社に参拝しない
神社のような神聖な場所に忌中に訪れると、穢れを持ち込むことになるため、神社に参拝するのは避けましょう。鳥居をくぐらず、鳥居の前で祈る分には良いという考え方の地域もあります。地域によって考え方が違うので、自分の地域はどうなのか調べてみましょう。
また、自宅に神棚がある場合には、白い布をかけてお参りを控えます。どうしても参拝しなければならない場合には、事前に神社に相談し、お祓いをしてもらってから参拝しましょう。
四十九日まで旅行や飲み会、引っ越しはNG?
「派手なことや祝い事は控える」とはいっても、「旅行や飲み会は?」「新居に引っ越すんだけど…」と迷ってしまうこともありますね。そんな迷いやすい事例を集めてみました。
旅行や飲み会
華美な席は避けたほうがいいのですが、旅行や飲み会といった緊急性のない行動はどうでしょうか。
実は厳密な決まりはないため、参加しても問題ありません。ただ、「忌中に飲み会に行くなんて」「忌中に旅行?」と思う人がいる可能性も否めません。飲み会ならば日付をずらしてもらう、旅行は延期かキャンセルを検討してもいいでしょう。
忌中で旅行をキャンセルしても、キャンセル代は返ってきません。自分の経済状況や周囲の様子を見て決めましょう。
引っ越しや家の新築
四十九日が過ぎるまでは引っ越しや家の新築は避けたほうがいいと言われています。というのも、故人の魂は四十九日を過ぎるまでは家にいると考えられているためです。故人の魂を遺したまま、引っ越しや新しい家に移るのは避けたほうがいいでしょう。
とはいえ、現代では仕事や学校の関係で忌中に引っ越しをする人もいます。家族とよく相談して決めたほうがいいでしょう。
故人との関係で忌中の期間が変わる?
親族が亡くなったら忌中というイメージがありますが、実は親族であっても故人との関係で忌中の期間が変わります。
一般的に、親や配偶者は50日、祖父母は30日、兄弟姉妹や子どもは20日、孫は10日と言われています。親戚にあたる叔父叔母は20日、従兄弟は1~3日とかなり少なくなっています。
地域や宗教によって考え方は違いますので、自分のところはどうなのか調べてみましょう。
四十九日までにすべきことは?
これまで四十九日までにしてはいけないことを中心にお話してきましたが、49日を迎えるまでにしておいたほうがいいこともあります。どんなことをしておけばいいのか見ておきましょう。
法要の手配(初七日法要、四十九日法要)
仏教では故人は極楽浄土に行けるかどうかを問う裁判を7日ごとに7回受けるとされています。そのため、昔は7日ごとに法要を行っていました。
ですが、交通が発達し、親族があちこちにいる現代では、7日ごとに集まるのは難しくなっています。
そのため、最初の裁判の日である初七日と最後の裁判である四十九日の法要だけが残っているのです。近年では、初七日法要は葬儀と共に行うことも多く、より簡略化が進んでいます。
四十九日までに、四十九日法要の手配をしておきましょう。
毎日お水とお線香をお供えする
故人は亡くなってから四十九日は家にいると言われています。お水やお線香をお供えし、手をあわせておきましょう。お供え物は気持ち程度で大丈夫です。故人の好きだった花や小物を添えると喜ばれるかもしれません。
遺品整理の準備
心が落ち着いてきたら遺品整理の準備をしましょう。特に気を付けたいのが形見分けです。
故人の遺品を処分するのは四十九日が過ぎてからでもできますが、形見分けは四十九日法要の後に行うことが多く、それを逃すと親族が集まるタイミングがないこともあります。
ただこちらは「絶対しなければならないこと」ではないため、遺族の感情を優先しましょう。
また、形見分けしなかった故人の遺品を片付けるのが「遺品整理」です。形見分けは故人の思い入れのあった品や愛用していた品を分けるのに対し、遺品整理は故人が生活で使用していた家電や衣類、趣味の品などを処分することです。アパートなどの賃貸の場合には、契約の更新期限前に済ませてしまいたいものですね。
しかし、誰しもが時間や手間を割けるわけではありません。私たちおうち整理士でも遺品整理のお手伝いをしております。
- ・仕分けから全部お願いしたい
- ・遠方に住んでいるので立ち会えないが任せたい
- ・価値のわからない本やおもちゃが大量に出てきたのでどうにかしたい
- ・「引き取れない」と言われた着物が大量にあるが、捨てるのは忍びない
などなど、遺品整理にまつわる「困った」が起きた時には、ぜひお声がけください。
長年遺品整理に携わったスタッフが、丁寧に対応させていただきます。
相談する前に、見積もりを取ることもできます。「この片付け、人に頼んだらいくらするんだろう?」という疑問が解決できますよ。
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まとめ
四十九日までにしてはいけないことには、理由があります。ですが、現代では個々の解釈がわかれている部分もあります。大切なのは故人を悼む気持ちと周りへの配慮です。周囲に不快な思いをさせないよう気を配りながら、四十九日を過ごしましょう。
これまでにおうち整理士で700件以上の遺品整理を担当。特殊清掃、リフォーム、骨董品買取など幅広い経験を重ねた上で知識を取得し、お客様に寄り添った仕事をモットーとしている。一般社団法人 遺品整理士認定協会「遺品整理士」を所持。