遺品整理士とは?必要な資格、仕事内容、依頼するメリットなどを詳しく解説
最終更新日:2024.11.05
「遺品整理士」という職業をご存知ですか?遺品整理に関して調べると、必ずと言っていいほど、目にする言葉です。近年はメディアや映画・ドラマでも取り上げられるようになってきているので、聞いたことのある方も多いかもしれません。
「でも実際どういうことをする仕事なの?」と気になっている方や、「遺品整理は遺品整理士に任せないといけないの?」と迷っている方もいらっしゃるでしょう。
この記事では「遺品整理士」とは何をする仕事なのか、その必要性やメリットなどもあわせて解説しています。
こんにちは。おうち整理士の榛田(はりた)です。今回は、遺品整理士という資格について、どういうことができるのか具体的にご紹介します。
目次
遺品整理士ってどういう仕事?
遺品整理士とは、故人の遺品を整理する専門家のことを指します。専門的な知識と技術を持ち、遺族に代わって遺品の整理や処分を行い、心の整理をサポートします。
遺品整理士の主な仕事内容としては、故人の持ち物の整理、部屋の清掃、不要なものの分別・処分などがあります。また、価値のある遺品については、そのまま保管するか、必要に応じて買い取る手続きも行います。
専門的な知識や技術を持つ遺品整理士は、遺族の心理を理解しながら丁寧に作業を進めてくれるため、信頼感があります。また、掃除だけでなく、遺品供養の手配や心のケアに関してもアドバイスを提供できます。
遺品整理士の役割と重要性
遺品整理士という仕事は、単なる整理作業にとどまらず、遺族にとって心の支えとなる重要な役割があります。故人を思い出しながら整理を行う際には、心の傷が伴うことが多く、その際に専門家のサポートが効力を発揮します。
遺品整理士は、遺族の感情に配慮しながら一つ一つの品物を扱うため、遺族に安心感を提供してくれます。また、トラブルを避けるための適切な手続きや処理方法を知っているため、安心して任せられる存在です。遺族が感情的に負担を感じることなく、関係を整理できる助けとなってくれます。
遺品整理士に資格は必要?
遺品整理士は「一般社団法人 遺品整理士認定協会」が設立した民間資格です。
遺品整理において、遺品整理士の資格は必須ではありません。資格がなくても遺品整理の仕事を行うことは可能です。しかし資格を取得し、専門的な知識を身につけることで、より良いサービスを提供できます。資格を持つことが自身のスキル向上につながり、信頼を得る手助けに繋がるため、多くの方が資格取得を目指すようになっています。
遺品整理業務で必要な資格
遺品整理士の資格以外にも、遺品整理において必要となる資格があります。詳しくご紹介します。
一般廃棄物収集運搬許可証
遺品整理に関する資格として「一般廃棄物収集運搬許可証」というものもあります。これは、家庭から出た廃棄物を収集し運搬するために必要な資格です。こちらは遺品整理に必ず必要で、遺品整理業者は、遺品の中に含まれる廃棄物を適切に処理するため、この許可証を持っている必要があります。
許可証を取得するための条件は地域によって異なり、一般的には自治体に申請を行う必要があります。遺品整理士がこの資格を取得している場合、より安心して依頼できるでしょう。ただこの資格の新規取得は難しいため、すでに資格を持っている業者と提携することで、業務をおこなっている業者も存在します。
産業廃棄物収集運搬許可証
産業廃棄物収集運搬許可証は、金属やゴムなど、家庭から出る一般的なごみ以外の廃棄物を扱うために必要です。遺品整理士が扱う場合、古い家具や大きな電化製品など、一般家庭からは出にくい廃棄物が含まれることがあります。DIYされる方の家や、庭やガレージの改修などをしている家から出る建築木材や、石材、ブロック、コンパネなども産業廃棄物に含まれます。
この許可証を持つことで、適切に遺品を分別し、合法的に処理することが可能となります。資格を持たない業者に頼むことはリスクが伴うため、業者選びの際はこの許可証についても確認しましょう。
古物商許可証
古物商許可証は、遺品の買取に欠かせない資格です。この許可を持っていることで、遺品の買取、売買、レンタル、交換が可能になります。
遺品整理士の具体的な仕事内容
遺品整理士の仕事内容は多岐にわたります。一つずつ見ていきましょう。
日程調整
遺品整理士の最初の仕事は日程調整です。遺族と綿密に打ち合わせをし、希望日時を確認した上で、スケジュールを組みます。訪問先の住所や時間帯、作業内容などの調整も、慎重に行います。遺品整理士として、依頼者が安心して作業を依頼できる環境を整えることが大切な役割となります。
遺品の整理と分類
作業当日には遺品の整理と分類を行います。部屋にあるすべての遺品を対象に、必要か不必要かを判断し、分類していきます。作業の一環として、貴重品の確認や、思い出の品の取り扱いについても注意します。
電気・ガス・水道などに関しても、関係各所と確認しながら手続きを進めてくれます。
完了報告と引き渡し
遺品整理の作業が完了したら、整理した内容や処分方法、引き渡した物品について報告書を作成し、遺族に説明します。
また、遺品の引き渡しの際には再確認を行い、間違いや疑問点がないかを細かく確認します。
遺品整理士の資格を取る方法
ここからは遺品整理士の資格取得方法を詳しく解説します。
資格取得の流れと費用
遺品整理士の資格取得の流れは以下のようになります。
- 申し込み
電話またはWebで申し込む - 教材到着
教本・資料集・問題集・DVDが届いて受講開始 - レポート提出
問題集に沿って課題レポートを作成し、Webか郵送で提出 - 合格通知
合否結果まで約2ヶ月かかる
合格後認定手続きを行う - 認定証の発行
認定証証と今後の業務に役立つ資料を送付
資格取得の費用は以下の通りです。
項目 | 費用 |
---|---|
入会金 | 25,000円 |
会費(認定手続き含む) | 10,000円(2年間有効) |
遺品整理士協会からのサポート
資格取得後、遺品整理士にとって心強い味方となるのが、一般社団法人遺品整理士認定協会からのサポートです。
この協会は、資格取得者への継続的な教育や研修を提供し、知識のアップデートを支援してくれます。また、業務に関する情報提供や、トラブル時のアドバイスも受けられ、プロとして活動する上で非常に役立ちます。協会には他の遺品整理士とのネットワークもあり、全国の仲間と交流することで新たな情報を得たり、スキルを磨いたりするチャンスも増えます。
遺品整理士のいる業者を選ぶメリット
ここまでで解説した通り、遺品整理を行う際に遺品整理士に依頼することは、必須事項ではありません。しかし、資格のない業者よりも、資格を持つ遺品整理士に依頼することで、さまざまなメリットが得られます。詳しく見ていきましょう。
信頼性の高いサービスの提供
遺品整理士は、遺品整理に関する確かな知識を持っているため、信頼性の高いサービスを提供してくれます。資格を持つ業者は、遺品を適切に扱う能力と倫理観があり、特に故人や遺族への配慮を最優先してくれます。
また、見積もりの段階で適正な料金体制を示してくれるので、不明瞭な請求がなく、トラブルの心配を軽減できます。さらに、経験豊かな遺品整理士は、スムーズに作業を進められるため、依頼者にとっても効率的な時間の使い方が可能になります。
法的なトラブルを避けられる
遺品整理の際、無許可で運営される非正規の業者にお願いしてしまうと、不適切な廃棄方法や過剰な料金請求が発生するリスクがあります。
資格を持つ遺品整理士が在籍する業者であれば、法令を遵守し、正当な手続きに基づいて作業を進めてくれます。遺品整理の契約前には、必ず業者の許可証や法的資格を確認しましょう。
遺品整理における費用や見積もりの相場
ここからは遺品整理を依頼する際の費用や見積もりについて、詳しく解説していきます。
遺品整理の一般的な費用
遺品整理の一般的な費用は、以下のように間取りで異なります。
作業の内容が単純な片付けであれば、相場としては比較的安価に抑えられることが多いです。しかし、家具の搬出や貴重品の取り扱い、清掃作業なども含まれる場合、料金は上がります。
基本料金に加えて、追加料金が発生することもあるため、見積もりを受け取った際には、説明を受けていない費用項目がないかをよく確認しましょう。
また、料金体系が明確な業者を選ぶことで、後のトラブルを未然に防げる可能性が高まります。全体の費用感を把握した上で、適切な業者を選ぶことが大切です。
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「遺品整理の費用相場は?料金相場と費用を安く抑えて処分する方法を解説」
遺品整理士の就労と給料について
遺品整理士の就職事情や給与形態はどのようになっているのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。
遺品整理士として働く方法の紹介
遺品整理士として働く方法は多岐にわたります。
まず、遺品整理業者が挙げられます。遺品整理のプロを証明する資格なので、遺品整理を専門にしている業者では重宝されます。そのほか、リサイクル業者や不用品回収業者にも就職することが可能です。不用品回収業者が遺品整理を担うケースも多く、その場合、遺品整理の専門的な作業が求められるため、資格が役立ちます。
また、就職後に遺品整理の現場での経験を積むことも重要です。多くの業者では、研修制度を設けており、新人に対して段階的に業務を教える仕組みが整っています。資格だけでなく、専門的なトレーニングを受けることで、遺品整理士としてのキャリアを着実に築いていくことができるでしょう。
遺品整理士の給料の目安
遺品整理士という仕事における給料は、働く環境や実績によって異なります。
業者に雇われている場合、初任給は約20万円から30万円程度が一般的です。経験を重ねることで、スキルや実績に応じた昇給が期待できることもあります。
一方、独立した遺品整理士の場合は、受注状況や作業量に応じて収入が変動するため、安定性に欠ける場合もあります。しかし、適切な料金設定や顧客獲得に成功すれば、より高い収入を目指すことも可能です。
高齢化社会が進む中で、遺品整理の需要は増え続けているため、ビジネスチャンスは増えてきています。
まとめ
この記事では、遺品整理士の役割や資格、業務内容について詳しく解説しました。
遺品整理士とは、故人の遺品を整理し、遺族に寄り添ったサービスを提供する専門家です。
遺品整理士が在籍する業者を選べば、適切な価格でスムーズな遺品整理を行うことができるというメリットがあります。
また、資格取得方法や、就職先、給与など、遺品整理士としてのキャリアを考えている方にとっても、参考となる内容を詳しく述べました。今後の進路選択に役立てていただければ幸いです。
これまでにおうち整理士で700件以上の遺品整理を担当。特殊清掃、リフォーム、骨董品買取など幅広い経験を重ねた上で知識を取得し、お客様に寄り添った仕事をモットーとしている。一般社団法人 遺品整理士認定協会「遺品整理士」を所持。