無料の廃品回収車はなぜ危険?本当に無料で不用品や粗大ゴミが回収できるのか解説
最終更新日:2024.11.19
スピーカーで「無料で廃品回収を行っています…」と流しながら徘徊している軽トラを見たことがある方は多いのではないでしょうか。
こういった無料の廃品回収サービスは、多くの場合利用しない方が吉です。
「無料の廃品回収車は嘘」と言い切ることはできませんが、無料で回収を行う業者は不正や違法な手段を使っていることがほとんどです。
この記事では無料を謳う廃品回収のやり口や、利用しない方がいい理由などを詳しく解説します。
こんにちは。おうち整理士の榛田(はりた)です。無料の廃品回収車ってどういう仕組みなのか、気になりますよね。今回は無料廃品回収の危険性とカラクリをご紹介します。
目次
無料廃品回収車の仕組みとは?
無料で廃品を回収する業者は実際に存在します。優良な業者であれば、不用品の回収は無料でも、回収した物品を整備し、再販することで収益を得ています。もちろん回収には一般廃棄物許可(もしくは許可を有する業者との提携)が必要で、再販には古物商許可が必要です。
一方で、実際に依頼すると回収費を請求してきたり、回収した不用品を不法投棄することで、本来発生するはずの処分費を浮かせ利益にしている悪徳業者も存在します。
無料で廃品回収をしている業者のすべてが違法とは限りませんが、許可なしに回収を行なっている業者も存在するため、一般的には「無料の廃品回収は安全ではない」とされています。
「無料」とはいえない実態とトラブル事例
「無料」と謳う廃品回収サービスは、実際には料金が発生する場合がほとんどで、安易に利用するとトラブルに見舞われる危険があります。
具体的な事例を見ていきましょう。
事例1: 不法投棄
無料で不用品を回収した業者が、適切に処理せずに無許可で廃棄物を捨てることがあります。例えば、冷蔵庫やテレビを無料で回収し、道路脇や山中に投棄する事例が実際に確認されています。
このような行為をする業者に依頼してしまうと、利用した側にも法的な責任が問われる可能性があります。不法投棄を行う業者を選ばないためには、業者選びの際に自治体の認可を受けているかどうかを確認することが重要です。口コミサイトやレビューを事前に調べておくのも一つの手でしょう。
事例2: 実際は有料だった
無料を謳っていても、実際には「積み込み料」や「処分手数料」が後で請求されることがあります。こういった業者は説明が不十分なことがほとんどです。曖昧な部分をうやむやにせず、正確な料金説明や契約内容を求めることで、引き起こされるトラブルを未然に防ぐことができます。
作業に入る前に「なぜ無料なのか」「回収したものはどのように処分されるのか」など、具体的な質問をしておきましょう。
その他のトラブル
その他のトラブルにも注意が必要です。たとえば、申し込み前と後で対応が違ったり、何を回収するかの事前確認が不十分であったりするケースが挙げられます。依頼とは無関係な品物を持ち去ったり、法外な追加料金を請求する業者もいます。
トラブルを回避するためには、業者選びの際に契約内容を十分に確認し、口コミや評価を事前に調査しておきましょう。
安全に不用品を処分するためには?
不用品の処分は、単に捨てるだけではなく、安全で適正な方法を選ぶことが重要です。特に、大きな家具や家電などは、家電リサイクル法に則って適切に処理しないと、環境に悪影響を及ぼす可能性があります。安易に無料回収の怪しい業者に依頼せず、地域のリサイクルセンターや収集サービスを利用することで、環境保護にも貢献できます。
また、自治体が行う定期的な粗大ごみ回収や特定の日に行われる資源ごみの出し方を理解しておくと、自分自身でも簡単に処分できることがほとんどです。適切にリサイクルをして、持続可能な社会の実現に貢献しましょう。
違法業者を避けるポイント
不用品回収を依頼する際は、違法な業者に注意しましょう。たとえば、訪問してきた業者が十分な説明もなく急に契約を迫ってきたり、料金を大きく変えたりする場合は要警戒です。また、古物商や廃棄物処理許可証の提示を求めることも重要で、正規の業者なら必ずホームページに許可番号を掲載しています。
さらに、口コミや評判も参考にし、悪い評価が投稿されてないかを確認しましょう。信頼できる業者を選ぶことで、トラブルを未然に防ぎ、安全に不用品を処分できるようになります。
地域ごとの信頼できる業者を選ぶコツ
お住まいの地域で信頼できる業者を選ぶ際には、まず自治体が提供する業者リストを活用しましょう。これにより、廃棄物処理の許可を持った業者を簡単に見つけることができます。
また、地域のコミュニティやSNSなどでの情報交換も非常に役立ちます。実際に利用した人の意見や評価を聞いて、業者の信頼性を調べておきましょう。料金やサービス内容について具体的な情報を収集しておくと、自分に合った業者を選ぶことができます。
不用品回収サービスを活用して安心の処分を
適切な不用品回収サービスを利用することで、手間なく安全に不要な物を処分することが可能です。特に廃棄物処理の許可を持つ業者やそういった業者と提携している業者は、法律に則って適切な処理を行なってくれるため、安心して任せることができます。
多くの業者はリサイクルに力を入れており、回収された不用品が環境に配慮した方法で扱われることが一般的です。そのため「自分の不用品が環境破壊に影響してないだろうか…」という、廃棄物の処理に関する精神的な負担も軽減されます。自宅に眠っている不用品がある場合、適切なサービスを選んでスムーズに処理しましょう。
許可業者による安心の不用品回収
許可業者による不用品回収は、信頼性が高く、適切な手続きで進められます。これらの業者は、一般廃棄物収集運搬業の許可を取得しているため、法令を遵守した方法で廃品を処理します。さらに、各自治体が定める基準もクリアしているため、その地域における処理の安全性も保たれています。
許可を得た業者に依頼することで、リサイクルや再利用が行われ、廃棄物が無駄にならずに済みます。
不用品回収における適切な費用相場
不用品回収にかかる費用は、業者や地域によって異なるため、相場を把握することが大切です。一般的には、軽トラック一台分の処分費用は約2万円から3万円程度が妥当とされることがほとんどです。ただし、回収する品物の種類や量、さらには地域の習慣によっても影響を受けるため、事前に数社から見積もりをとっておきましょう。
明確な料金設定をしている業者を選ぶことで、トラブルを避けることができます。
わたしたちおうち整理士でも、ゴミ屋敷の清掃や、遺品整理をお手伝いしています。
まずは無料の簡単見積もりで料金相場をお確かめください。相場を知っておけば他の業者と比較する際にも便利ですよ。
廃品回収のよくある質問
廃品回収のよくある質問をまとめました。
家電リサイクル法の対象って?
家電リサイクル法では、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の4種類の家電製品が対象に設定されています。これらの製品は、特別なリサイクル手続きを必要とし、廃棄する際にはリサイクル料金が課金されます。この料金は、製品の種類や大きさに応じて異なるため、事前に確認することが重要です。
さらに、廃棄する際は、認可を受けた業者や自治体によって適切に処理される必要があり、安易に不法投棄や無許可の廃品回収業者に依頼せず、適切な業者に任せましょう。
廃品回収と資源回収の違いって?
廃品回収と資源回収は、目的と方法が異なります。
廃品回収は不要品を処分することを主な目的とし、一般廃棄物として扱われることが多いのが特徴です。対して資源回収は、リサイクル可能な資源を取り出すことを目的としており、選別や再利用が行われます。
資源回収に関しては、自治体が回収している場合も多いので、業者の不用品回収に出す前に確認しておきましょう。
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まとめ
基本的に無料で廃品を回収することはできません。無料回収を謳っている業者は、不法投棄を行なっていたり、法外な料金を要求してくることが多々あります。
犯罪に加担しないためにも、信頼できる業者を選び、必要な手続きを踏んで、不用品を処理しましょう。また、家電リサイクル法や廃品回収と資源回収の違いについて知識を持っておくことも重要です。
これまでにおうち整理士で700件以上の遺品整理を担当。特殊清掃、リフォーム、骨董品買取など幅広い経験を重ねた上で知識を取得し、お客様に寄り添った仕事をモットーとしている。一般社団法人 遺品整理士認定協会「遺品整理士」を所持。