遺品整理で捨ててはいけないもの|トラブルを避けるための方法も解説

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遺品整理で捨ててはいけないもの|トラブルを避けるための方法も解説

遺品整理で捨ててはいけないもの。トラブルを避けるための方法も解説。通帳や現金、クレジットカードの画像

遺品整理は故人が残した財産や思い出を整理する大切な作業です。しかし、誤って大切なものを捨ててしまうと、後から思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。特に法的に重要な書類や貴重な財産は慎重に取り扱うことが求められます。

この記事では、遺品整理において捨ててはいけないものについて詳しく説明し、それに伴うトラブルを避けるための方法を解説します。

こんにちは。おうち整理士の榛田(はりた)です。今回は、遺品整理で捨ててはいけないものや、トラブルを避ける具体的な方法をご紹介します。


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法的な観点から捨ててはいけないもの

遺品整理において、法的な観点から捨ててはいけないものを把握することは極めて重要です。事前に確認しておきましょう。

遺言書

遺言書は故人が生前に残した最終的な意志を示す大切な書類です。遺品整理の最初の段階で必ず確認するもので、決して捨ててはいけません。遺言書があることで、財産の処遇や故人の意志が明確になり、親族間の争いや誤解を避けられます

遺品整理を始める前に遺言書の存在を確認し、法的な手続きを経て正式に開封することが必要です。

現金

故人が遺した現金も捨ててはいけません。現金は遺族間での分配や、故人の残した負債の清算に必要となることが多々あります。現金が箪笥の中や本の中など予想外の場所に隠されていることも少なくないので、遺品を整理する際には細心の注意を払って確認しましょう。

有価証券・保険証券

有価証券や保険証券は故人の財産に関わる重要な書類です。株式、債券、投資信託の証券はもちろん、保険契約に関する証券も含まれます。これらの書類は相続手続きに必要で、捨てると大きな損失や親族間のトラブルの原因になり得ます。

遺品整理を行う際にこれらの書類を見つけた場合は、まずコピーを取り、原本は安全な場所に保管しましょう。保険会社や証券会社と連絡を取り合いながら適切な手続きを行うよう心掛けることが大切です。

各種手続きに必要なため捨ててはいけないもの

遺品整理を進める際に、各種手続きに必要なため捨ててはいけないものがあります。一つずつ見ていきましょう。

銀行の通帳・キャッシュカード・クレジットカード

故人が使用していた銀行の通帳、キャッシュカード、クレジットカードは相続手続きや遺産整理で欠かせません。通帳やカード類が無いと、故人の銀行口座に残された残高確認や、未払いのクレジットカードの請求額を把握できません。

クレジットカードについても未払いの請求額がある場合は、その確認と支払いを行う必要があります。紛失や誤って廃棄してしまうことがないよう、見つけ次第、通帳やカードはひとまとめにして保管し、早めに金融機関に連絡を取りましょう

印鑑・印鑑登録証明書

印鑑や印鑑登録証明書の存在も見逃せません。特に相続手続きや遺産分割協議の際に、これらの印鑑がなければ正式な手続きを行うことが難しくなります。印鑑登録証明書は、市役所で発行されるもので、故人の正式な印鑑を証明する書類です。不動産の売買や銀行口座の解約、その他の正式な取引にも、この証明書が必要です。

したがって、遺品整理の際にはまず印鑑がどこにあるのかを確認し、合わせて印鑑登録証明書も確保しておきましょう。

あわせて読みたい『遺品整理で出てきた印鑑の処分方法6つ。実印の有効期限も解説』

身分証明書類・年金関係書類

身分証明書類や年金関係書類は相続手続きの際に必要です。具体的には運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証、パスポートなどです。これらの書類がないと、相続の手続きがスムーズに進まないことがあります。

また、年金関係の書類も重要で、年金の受給手続きや未払い年金の確認に必要です。具体的には、年金手帳や年金証書などが該当します。故人の生年月日や住所、その他の重要な情報が記載されているため、失くさないように注意が必要です。

公共料金の請求書や領収書

公共料金の請求書や領収書も捨ててはいけません。これらは故人が生前に利用していた電気、水道、ガス、インターネットなどの契約情報が記載されており、未払いの料金や解約手続きの際に必要です。特に公共料金の未払いがある場合、請求書や領収書を確認することで、精算すべき金額や契約の状況を把握することができます。これにより、誤った料金の支払いを防ぐことが可能です。また、解約手続きも請求書に記載された情報を元にスムーズに進行させることができます。

したがって、これらの書類は日付や内容ごとに整理し、必要に応じてすぐに取り出せるように保管しておきましょう。

ローンの明細書と契約関係書類

ローンの明細書や契約関係書類は、遺品整理の際に絶対に捨ててはいけません。住宅ローンや自動車ローン、その他の借入に関する明細書や契約書が含まれます。これらの書類から故人が残した負債の詳細や返済状況を確認できないと、相続人が負債をどのように処理するかの判断が難しくなります。

これらの書類をしっかりと確認し、安全な場所に保管しておくことで、相続手続きが円滑に進められます。

親族間のトラブル防止のために残すべき捨ててはいけないもの

遺品整理では、親族間のトラブルを防ぐために捨ててはいけないものもあります。確認しておきましょう。

遺書・エンディングノート

遺書やエンディングノートは故人が遺した大切な文書であり、親族間のトラブルを防ぐ大きな一助となります。遺書には財産分与の具体的な指示や遺言執行者の指定が含まれている場合があります。一方、エンディングノートには故人の希望する葬儀の方法や、人間関係の整理、終末期医療の希望などが詳細に記されているケースが多いです。遺言と違い法的な事項は記載されませんが、故人の意志を尊重し実現する助けになります。
不要な争いや感情的な摩擦を避けるためにも、必ず確保しておきましょう。

故人がレンタルしていたもの

故人がレンタルしていた家電、車、衣服、各種のサービス契約などは遺品整理の際に注意が必要です。レンタル品の場合、契約を解除しない限り料金が発生し続けるため、迅速に対応する必要があります。

また、レンタル品が親族間のトラブルを引き起こすケースもあります。たとえば、高価なレンタル品や長期間にわたって使用されていたものなどは、誰がその処分を担当するかで意見が分かれることが考えられます。こうしたトラブルを防ぐためには、契約内容を確認し、すみやかにレンタル会社に連絡して返却手続きを行うようにしましょう。

各種の鍵

鍵類も捨ててはいけない遺品の一つです。鍵類には住宅の鍵、車の鍵、セーフティボックスの鍵、郵便受けの鍵などが含まれます。

故人が賃貸物件に住んでいた場合、物件のオーナーに鍵を返却する必要もあるため、レンタル品同様に注意が必要です。親族間で鍵の管理が曖昧だと、トラブルの原因にもなりかねません。鍵は見つけ次第、適切にラベリングし、重要度や用途に応じて安全に管理しましょう

貴金属・宝石・美術品など

貴金属や宝石、美術品は高価なものが多いため、親族間のトラブルの原因になることがよくあります。貴金属や宝石は、故人が特に大切にしていた場合も多く、その扱いには特別な配慮が必要です。

美術品についても同様で、故人の思い入れが強い場合や、市場価値が高いと思われる場合は、正確な鑑定を受けた上で分配方法を検討しましょう。

デジタル遺品(パソコンやスマホのデータ)

デジタル遺品には、パソコンやスマホのデータ、クラウドサービスのアカウント情報、SNSのログイン情報、オンラインバンキングのアカウントなどが含まれます。家族写真や故人が作成した書類、電子メールなどの個人的なデータも多く含まれているため、適切に管理しましょう。

また、デジタル遺品を確認する際には、パスワードやID情報を探すことが重要です。これらの情報を基に、データのバックアップやアカウントの削除手続きを進めることができます。加えて、個人情報が含まれるHDDなどのハードウェアも慎重に取り扱い、安全な場所で保管するようにしましょう。

あわせて読みたい『デジタル遺品を受け取った時の対応と残す場合の対処法』

故人の思い出の品

故人の写真アルバム、手紙、愛用していた小物、旅行の記念品、趣味の道具などは故人の人生を振り返るための大切なものであり、親族間の絆を深める役割も果たします。これらの品を整理する際には、一つ一つ丁寧に確認し、適切に保存しましょう。

間違って大事な遺品を捨てないためのコツ

遺品整理を行う際には、間違って大事な遺品を捨ててしまわないためのコツを押さえることが重要です。一つずつ見ていきましょう。

最初に遺言書を確認する

遺品整理の最初の段階で遺言書を確認することは非常に重要です。遺言書には、故人の最終的な意志や財産分配に関する具体的な指示が記載されています。これを確認することで、遺品の処理や相続の手続きをスムーズに進められます。遺品整理が計画的に行えるだけでなく、親族間のトラブルも避けやすくなるでしょう。

また、遺言書には特定の遺品に関する詳細な指示が含まれている場合が多いため、これを無視して物品を捨ててしまうと法的な問題が発生する可能性もあります。遺品整理を始める前に、必ず遺言書を確認しましょう。

捨ててはいけないものをリストアップ

遺品整理を効率的かつ正確に進めるために、捨ててはいけないものをリストアップしておくと後々役立ちます。このリストには、法的に重要な書類や貴重品、故人の思い出の品などが含まれます。事前にリスト化しておいて、整理の際に誤って捨ててしまうことを防ぎましょう。

このとき親族や関係者と協力して情報を整理し、あらかじめリストを共有しておくことで、作業が円滑に進むだけでなく、誰が何を保管するのかも明確になるため、後々のトラブル予防にもなります。

捨ててはいけないものリストの例

物品名 チェック
遺言書
現金
有価証券・保険証券
銀行の通帳・キャッシュカード・クレジットカード
印鑑・印鑑登録証明書
身分証明書類・年金関係書類
公共料金の請求書や領収書
ローンの明細書と契約関係書類
エンディングノート
レンタル品
各種の鍵
貴金属など
パソコン・スマホ
思い出の品

遺品整理の際に出る不用品の処分方法

遺品整理を進めると、多くの不用品が出てくることが一般的です。これらの不用品の処分方法にはいくつかの選択肢があります。事前に把握しておくことで、効率的かつ環境に配慮した整理が可能になります。

各選択肢を見ていきましょう。

ゴミとして処分する

不用品をゴミとして処分するのは、最も簡単な方法です。ただし、家庭ごみとして出す場合は分別が必要となります。また家具や家電などの大型ゴミは特定の日に回収が行われるため、事前に地域の回収ルールを確認しておきましょう。

また、電子機器や金属などを含む不用品は、リサイクル法に基づいて適切に処分する必要があります。そのほか、書類や写真などの個人情報が含まれるものはシュレッダーにかけるなどの配慮が必要です。ゴミとして処分する際には、量や種類によっては粗大ゴミの追加料金が発生することもあるため、事前に確認を行うことが大切です。

寄付する

まだ使用可能な不用品は、寄付することで社会貢献できます。家具や衣服、書籍、日用品など、十分に使える品物は福祉施設やチャリティー団体への寄付を検討しましょう。多くの団体は必要としているアイテムをリストで公開しているので、確認してから寄付品を選ぶと効果的です。

また、学校や地域のコミュニティセンター、NPOなどでも寄付を受け付けている場合があります。寄付を行う前に、対象となる品物が受け入れ可能かどうかを事前に確認しましょう。

売却する

価値のある不用品は売却することで、お金に換えることができます。家具や電化製品、貴金属、コレクターアイテムなどの需要がある品物は、リサイクルショップや中古品買取店で売却することができます。特に高価な品物やブランド品は専門の買取業者に査定を依頼することで、適正な価格で取引される可能性が高まります。

また、インターネットオークションやフリマアプリを活用するのも一つの方法です。自分にとっては不要なものでも、他の人にとっては価値あるものとして再利用してもらえるかもしれません。

あわせて読みたい『遺品の買取ってできるの?失敗しない売り方を遺品整理のプロが解説』

片付けが進まないときの対策

遺品整理を進める中で、片付けがなかなか進まないと感じることは少なくありません。そんなときには、いくつかの対策を講じることで、スムーズに作業を進行させることが可能です。

具体的な方法を確認していきましょう。

残すものの基準を定める

遺品整理を効率的に進めるためには、残すものの基準を明確に定めておくことが不可欠です。この基準を設けることで、感情に左右されずに整理を進めることができます。残すものの基準としては、法的に必要かどうか、故人にとって大切かどうか、そして高価なものかどうかなどが含まれます。

これらの基準を事前に家族で話し合い、共有することで、遺品整理を迷うことなく進めることができます。

保留ボックスを作る

遺品整理を行う際に、判断に迷う物品が多い場合は保留ボックスを作るのが有効です。このボックスには、今すぐには処分を決定できないものや、一度保管して後で見直す必要があるものを一時的に収納します。保留ボックスを使うことで、悩んでしまう時間を削減し、作業をスムーズに進めることができます。

また、保留ボックスに入れたものは一定期間おいて見直すことで、冷静な判断が可能になります。故人との繋がりが強い品や、家族間で意見が分かれるものを入れておくのも効果的でしょう。定期的に保留ボックスの中身を確認して、遺品整理を効率的に進めましょう。

まとめ

遺品整理は慎重に進めるべき重要な作業です。間違って遺品整理に必要なものを捨ててしまわないよう、必要なものをリストアップし、トラブルを避けましょう。

わたしたちおうち整理士でも遺品整理を行なっています。お客様に寄り添い、親身になってお話を聞かせていただきます。遺品整理士も在籍しているため安心してお任せいただけますよ。

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馬場

監修:馬場

おうち整理士で特殊清掃を受け持つ現役の特殊清掃スタッフ。これまで数多くの現場の清掃を手掛けており、お客様の立場に寄り添った提案や心のこもった清掃に定評がある。一般社団法 日本除菌脱臭サービス協会「脱臭マイスター」「除菌マイスター」を所持。

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