身内が孤独死したときの遺品整理|特殊清掃の費用も徹底解説
最終更新日:2025.04.13

「身内が孤独死で亡くなったと突然知らされた」
「孤独死で亡くなった親のアパートの遺品整理をしなければならない」
なんの前触れもなくこんな状況になってしまうと、何をしなければならないか分からず困ってしまいますよね。

こんにちは。おうち整理士の榛田(はりた)です。この記事では、「孤独死が発覚してから遺品整理までの流れ」をわかりやすくご説明していきます。
目次
遺品整理の義務は誰にある?
一般的に、遺品整理の義務は、故人の相続人にあります。相続人は、相続放棄をしない限り、遺品整理の義務を放棄することはできません。相続人には、故人の遺言に基づく「遺言相続人」と、法で定められた「法定相続人」の2通りのパターンが存在します。
法定相続人と遺言相続人の違い
法定相続人とは、民法で定められた相続権が認められる人々のことです。具体的には、以下の順で相続権が発生します。
- 配偶者および子や孫
- 配偶者および親や祖父母
- 配偶者およびきょうだい
一方、遺言相続人は、故人の遺言によって特定された相続人です。遺言がある場合、その内容が優先されるため、親族とは限りません。
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身内の孤独死が発覚した後の対応の流れ
近年、一人暮らしをする高齢者の数が増えている現状とともに、孤独死する方の数も年々増えています。
ご親族が孤独死で亡くなったと知らされたら、身内である自分はまず何をしなければならないのでしょうか。
孤独死が発覚した後にやらなければならないことを順番にご紹介します。
業者を調べて依頼する
孤独死が起きた場合、まず警察から連絡が入り、葬儀の手続き、死亡届の提出、相続の整理など、様々な手順が発生します。これらを一通り済ませた後に、現場となった家の清掃が必要になります。
人が孤独死した場合は、体液などが付着していて一般の方が対処するのは困難です。孤独死の対処は「特殊清掃」に対応している業者に依頼しましょう。賃貸の場合だと原状回復義務があり、時間的な制限も発生するため、業者に依頼する方がほとんどです。
特殊清掃後、遺品整理をする
特殊清掃が済んだら、親族や相続人、業者を交えて遺品整理を進めていきます。
現金、土地、証券、銀行口座の残高、家具・家電など、遺品の種類は多岐にわたります。物量にもよりますが、すべての作業を一人で行うのは難しいでしょう。
特殊清掃と同様に、遺品整理もプロの業者に依頼すると良いです。専門の業者は、遺族の心情にも配慮してくれるので、精神面でも安心できます。
特殊清掃も請け負っている遺品整理業者なら、部屋の清掃に加えて、運び出しが困難な大型家具や家電もまとめて回収してもらえます。大体の作業は1日〜2日程度で終わるため、賃貸退去日が迫っている場合は特に業者を利用した方が良いでしょう。
遺品を仕分けする
遺品整理は、まず遺品を仕分けしていくところから始めます。仕分けボックスを作り、残すもの、処分するもの、判断を保留するものに分けていきましょう。
財産書類や債務書類など、捜索が困難な必要書類も、経験豊富な遺品整理業者であればどの辺りに保管されているのか目星をつけることができるため、簡単に見つけられます。探してほしい遺品がある場合は、そのことを事前に業者に知らせて、捜索を手伝ってもらいましょう。
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孤独死の遺品整理・特殊清掃で注意すべきこと
孤独死の場合の遺品整理では、いくつかの注意点があります。確認しておきましょう。
特殊清掃をする前の部屋には入らない
特殊清掃を行う前の部屋には絶対に入ってはいけません。孤独死の場合、部屋には腐敗臭や体液、雑菌が存在する可能性が高いため、無防備な状態で立ち入ると健康を害するリスクがあります。
また、大きな心理的ショックも予想されるため、専門の業者が清掃を終えるまでは自分から入り込まないようにしましょう。
部屋の窓を開けない
孤独死の際、部屋の窓は開けてはいけません。腐敗臭や体液の影響で、周囲に不快な匂いが広がる恐れがあります。無許可で換気を行うことは避け、専門の業者による特殊清掃が完了するまでは、窓を開けないようにしましょう。
遺品は清潔にする
遺品整理を行う際には、残された遺品を清潔な状態に保つことが大切です。遺品は故人を偲ぶための大切なものですが、場合によっては腐敗臭や雑菌が残っている可能性があります。自分以外の人の手に渡ることも考慮して、除菌スプレーなどを使用し、清潔な状態にしておきましょう。
特に、形見分けを行う際には、相手に気持ちよく受け取ってもらえるようにするため、遺品を清潔に保つことがマナーになります。業者によっては、遺品の消臭や消毒を行ってくれるサービスがあるので、利用するのも一つの手段です。
マスクや手袋をする
遺品整理を行う際は、衛生面に注意が必要です。特に孤独死の場合、発見が遅れると部屋には腐敗物質や有害な微生物が増えている可能性が高くなります。マスクや手袋を着用することで、感染症や雑菌から身を守り、安全に作業を進めることができます。作業は業者に任せる場合でも、念のため身につけておきましょう。
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遺品整理・特殊清掃を依頼した時の費用目安
遺品整理や特殊清掃を依頼した際にかかる費用を詳しく解説します。
遺品整理の費用
遺品整理の費用は物量や間取りにもよりますが、おおむね以下の表のように決まります。
おうち整理士での具体的な費用例は以下の通りです。
間取り | 人数・時間 | 車両 | 料金 |
---|---|---|---|
1K~1DK程度 | 2名で2時間~ | 軽トラック/2.5㎥程度 | 27,500円〜 |
2LDK~2DK程度 | 2名で2時間~ | 1.5t箱車/8㎥程度 | 88,000円~ |
3LDK~4LDK程度 | 3名で4時間~ | 2t箱車/12㎥程度 | 132,000円~ |
業者によっては、荷物の量や種類に応じて追加料金が発生することもあります。見積もりの際に、内容を入念に確認しておきましょう。
また、見積もりが出た際には、明細をよく確認し、不明点や気になる部分を業者に質問しましょう。
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特殊清掃の費用
遺品整理と同じく特殊清掃もお部屋の状態によって費用が異なります。おうち整理士での具体的な作業費用は以下の通りです。
作業内容 | 料金目安 |
---|---|
床上の特殊清掃 | 30,000 円(税込)~ |
浴室清掃 | 50,000 円(税込)~ |
消臭剤・除菌剤の散布 | 10,000 円(税込)~ |
畳の撤去 | 1枚3,000 円(税込)~ |
オゾン脱臭機による消臭 | 30,000 円(税込)〜 |
害虫駆除 | 10,000 円(税込)~ |
業者によって作業ごとの価格にもばらつきがあります。事前の見積もりなどを活用して、詳細な料金を確認しておきましょう。
特に孤独死の現場では、作業内容が通常よりも多岐にわたることが多く、追加の清掃や特別な対応が必要になる場合がほとんどです。 そのため、料金の比較だけでなく、業者の信頼性や作業実績についても十分に検討しましょう。
業者を選ぶコツ
依頼する業者を選ぶ際は、信頼できる業者を選ぶことが肝心です。
特に、孤独死の現場では専門的な技術や知識が求められます。過去の実績を見て判断してみましょう。
また、業者によっては遺品整理も同時に行ってくれるところもあるので、必要に応じて利用するのが良いでしょう。複数の業者から見積もりを取り、作業内容や料金を比較検討すれば、安心して依頼できる業者をさらに見つけやすくなります。
身寄りのない人が孤独死した場合の流れ
身寄りのない方が孤独死された場合、遺品整理や相続に関して特別な手続きが必要です。大家さんなど、物件を管理する側の方は詳細な手順を確認しておきましょう。
相続財産管理人選任の申し立て
身寄りのない方が孤独死した場合、相続財産の管理が不可欠になります。このため、相続財産管理人を選任する申し立てを行うことが重要です。この手続きは、家庭裁判所を通じて行われ、管理人には財産の調査や管理を行う権限が与えられます。
相続財産管理人には、法的な知識が必要とされ、多くの場合、弁護士や司法書士が適任とされます。
相続財産管理人選任を申し立てるための要件
相続財産管理人を選任するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。
まず、相続手続きを行う必要があります。遺産が存在し、誰がその財産を管理するかが明確でない場合、管理人の選任が求められます。また、相続人の有無が不明であることも要件の一つです。この際、戸籍調査を行い、実際に相続人がいないことを確認します。
このような手続きを踏むことで、財産の適切な管理が可能となります。
相続財産管理人が行使できる権限
相続財産管理人は、相続財産を適切に管理するために特定の権限を有しています。具体的には、「保存行為」と「管理行為」が含まれ、これらの行為に関しては家庭裁判所の許可を必要としません。例えば、相続財産管理人は、遺産に関わる税金の納付や債務の履行、または掃除作業の依頼を行うことができます。
しかし、相続財産管理人は「処分行為」に関しては権限を持たず、その実施には家庭裁判所の事前の許可が求められます。したがって、不動産の売却や遺品の処分など、価値を有する財産の管理に対しては、適切な手続きを踏む必要があります。
まとめ
身内が孤独死した場合は、特殊性が高く、相続や死亡手続きなど、早急にしなければならないことがたくさんあります。突然のことで「何をしたら良いの?」とパニックになってしまいがちですが、冷静に、順番に対処していきましょう。精神的にも体力的にもしんどいことが多いため、遺品の捜索や部屋の清掃、遺品整理など、業者にやってもらえることは依頼するのがおすすめです。
わたしたちおうち整理士でも、特殊清掃と遺品整理、遺品の捜索を請け負っています。
「身内が孤独死してどうしたらいいかわからない・・・」という場合は、まず無料の見積もりからお試しください。できることから一つずつやっていけば着実に遺品整理を進められますよ。
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これまでにおうち整理士で700件以上の遺品整理を担当。特殊清掃、リフォーム、骨董品買取など幅広い経験を重ねた上で知識を取得し、お客様に寄り添った仕事をモットーとしている。一般社団法人 遺品整理士認定協会「遺品整理士」を所持。